だいすき



 貴方はきっと知らないだろうね、私がどれだけ貴方を想っているか。
 お世辞にも可愛いとは言えない性格の私だし、言動も行動も、何一つ素直になれないままだから。
 それでも、うん、やっぱり私は貴方のことが大好きで、揺れる青の髪だとか、赤く燃えるような瞳だとか、私に向けられる満面の笑顔だとか、私を「マスター!」と呼ぶその唇だとか、何もかもが私の目を奪って仕方がなくて。

「どうした?」

 何も言わずに彼を見つめ続ける私に、彼が不思議そうに声をかけた。私は「なんにも?」と返事をしてから、やっぱりさっきと同じように彼の顔を凝視する。

「俺の顔に何かついてんのか?」
「うーん、目と、鼻と、眉とー……口?」
「なんだそれ」
「かっこいいよ」
「お? わはは、ありがとよ」

 ちょっとだけ素直にそう言うと、彼が笑う。貴方があんまり楽しそうに笑うから、つい、私もつられて笑ってしまった。




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