再会診断メーカー『この人の記憶に残る自分が、少しでも美しければいいな。この人には及ばずとも、少しでも優しければいいな。と思いながら決別しようとする』からハッピーエンドへ
「忘れないでよ」
「忘れねぇよ」
それが最後の会話だったの。
少しでも覚えていてもらえるように、最後は一等可愛い私で会いに行ったの。
だけど本当はわかってるんだ、もう同じ霊基の貴方には一生会えないんだって。
きっと次に会う時は、私の知らない、私を知らない貴方なんだって。
だってサーヴァントってそうでしょう? 私とのことなんて──きっと、座に持ち帰るほどの事じゃない。
だから私、これでサヨナラだってちゃんと覚悟してた、のに。
「なんで…………」
数年ぶりにあったあなたが、「久しぶりだな」なんて言うから、私思わず泣いてしまったの。
あの時と同じ笑顔で貴方が笑うの、私はもうこんなに大人になってしまったのに。
「泣き虫は変わらねぇな」
そう言った彼の手の温かさも変わらない、どうか、今度はもっと長く彼と一緒にいられますように。
叶うのであれば、この先ずっと──
clap!
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