Long StoryShort StoryAnecdote

Disguise/Disclose


5.

「お前がいけないんだぞ、草太……! お前が、俺を誘ったんだからな!」
 言いながら、もう一方の手で草太のズボンに手を掛ける。片手でベルトをはずすなど、鏑木には朝飯前だ。
 状況がわかってきたのか、じたばたともがき始めた両足に体重をかけて押し込めると、今度は草太のシャツを掴んだ。強引に引き毟ると、無残にもボタンが弾け飛ぶ。
「や、だ……! せんせ、なん……やめて、やめてよ!」
 拒絶の声は、鏑木を興奮させるだけだ。怯えた目を鏑木に向けながら、草太の身体は緊張に強張っていく。
 下着の中に手を突っ込むと、草太のペニスに直に触れる。ビクリと竦む身体に、鏑木は躊躇などしない。
「こわ、いよ……、せんせ、やめて、やめて……ッ、何で、」
 混乱に眉を寄せる草太の表情を愉しみながら、鏑木は少年の陰茎を扱き始めた。同時に、露わになった乳首にむしゃぶりつく。
「ふぁッ……! あ、はッ……! な、ぁッ……!」
 鏑木の巧みな手技に、少年は腰を捩る。乳首がぴんと硬くなるのを確認すると、鏑木は顔を上げた。戸惑う少年の顔を見下ろすと、不敵に笑う。
「どうだ……気持ち好いか、草太」
「やめて……せんせ、も、俺……ッぁ、は……!」
 親指で先端をぐりぐりと刺激すると、草太は鏑木の手の中に射精した。鏑木は濡れた手をズボンから抜き取ると、ぐったりと脱力した草太の眼前に差し出す。
「先生の手を汚して、悪い子だ」
「そん、なの……、」
 草太の目には哀願するような色が滲んでいる。鏑木は草太のズボンを下着ことずり下ろし、下半身を露出させた。
 バスケ部を辞めて半年以上が経つものの、草太の足は相変わらず細く引き締まっている。鏑木は興奮に熱くなった手でその太腿をねっとりと撫であげると、自分の身体をその間に押し込んだ。
「これからお前にも好い思いをさせてやるからな」
「せんせ、……やだ、お願いやめて、」
 物わかりのいい生徒だ。草太はもう、自分が何をされるのか理解しているようだった。
 鏑木はそそくさと前を寛げると、すでに存在を主張している自身のペニスを取り出す。大きくそそり勃つそれを己の手でさらに扱くと、硬くなった先端を草太の尻の窄まりに押しつけた。
「お前のここ……先生のデカチンポで思い切り突いて、気持ち好くしてやるからな」
「いやだ、やだ……ッ! せんせ、おねが、だからいや、やめ……ッ」
 勃ち上がったものを草太のペニスに擦りつけながら、草太のアナルに濡れた指を埋没させる。草太は、ひっ、と息を吸って、あとはなるべく声を出さないように唇を噛んでいた。
「んッ……! ふ、ン……!」
 まずは中指を、そして人差し指も。ぐちぐちと弄っていると、2本の指は根元まで中に入るようになった。草太は顔を真っ赤にして、ひゅーひゅーと息をしながら鏑木を見たが、その目に力はない。
 構わずに中を刺激し続けると、草太はほとんど抵抗しなくなった。
「ああ、草太……可愛いよ」
 草太のきりっとした眉尻はその潔さを残したまま、眉間には憂いを含んだ皺が寄っている。目は涙に濡れ、鏑木の好む捕らわれた獲物の顔を晒していた。
「ど、して……こんな、こと……ッ」
 涙声で問う草太に、鏑木は首を傾げる。
 どうして? 狩りに理由などなかった。ただそうしたいからするのだ。
 ふやけるほど中をほぐした指を抜き取ると、鏑木はいよいよ自分の猛ったペニスをそこに押し付けた。
 ――2年、待った。草太の腰を掴むと、一気に貫いた。
「――ッ!!」
 ぐぷぷ、と飲み込まれ、熱い内壁を抉じ開ける。草太は声もなく身体を震わせると、鏑木のものをきつく締めつけた。
「ぐぅ、うッ――! きつ、い……、草太、締めつけ過ぎだぞ……、」
「ひ、ぃ……ッ、い……ぁ、」
 じわ、と草太の目から涙が溢れ、こめかみに流れ落ちる。2人のいる辺りだけ、湿度が増した気がした。
 鏑木の勃起した野太いペニスが、ずぶずぶと草太の中に埋まっていく。鏑木はその締めつけを味わいながら根元まで収めると、ふぅ、と深い息を吐いた。
「……全部、お前の中に入ったよ」
「あ、う、そ……、あ、ぁ……ッ」
 ひく、ひく、としゃくりあげる草太の前髪を掻き上げてやる。額は汗に濡れ、顔は真っ赤に染まっていた。そそる顔に、鏑木は舌なめずりすると、両手を少年の乳首に添わせる。指の腹でぐりぐりと刺激すると、鏑木の男根を食んだ腸内がうねった。
「お、ふぅ……ッ、すご、いな……! 初めてなのに、こんなに感じて……、草太、お前の中はトロトロで、最高に気持ち好いぞ……!」
「い、やだ、抜いて……ッ、やだ、やッ……ひ、動かな、で……ッ!」
 乳首を捏ねながら、ゆっくりと腰を動かす。草太の手は乳首を弄る手を引き剥がそうと鏑木の手首に縋りついていたが、指先の刺激に反応してしまって力はない。その儚い抵抗が鏑木をいっそう煽り、少年の首筋や胸、脇腹に鬱血痕をつけた。
 鏑木はギリギリまでペニスを引き抜くと亀頭で入口の狭いところを刺激し、草太がヒィヒィと泣き出したところで奥まで一気に突き込んだ。草太はその衝撃に達して、ペニスからトロトロと精液を零す。
「またイッたか。草太は敏感過ぎるんじゃないか? え?」
「ふぁ、あああぁ、あッ……!」
 割り広げた足の間、ぐりぐりと腰を回す。きつい締めつけに、鏑木も限界が近いことを悟った。草太の腰を掴むと、グン、と奥を突き上げる。激しい抽挿に合わせて、草太の息は犬のように短く、速くなっていった。
「はっ、は、あ、あ、あ、ン、は、」
「出る、出る……ッ、出すぞ草太、お前の肉筒の中に、俺の……精液ぃ……ッ!」
「ひ、いや、ぁぁぁッ……!」
 悲鳴など解することなく、鏑木は1番奥まで少年を突くと、そのまま草太の身体に圧し掛かった。腰を震わせ、少年の体内に熱い精液を流し込む。草太の中もぎゅっと収縮し、鏑木の肉棒の射精をいっそう促した。
「ぐ、ふぅ……ッ! は、すげ……ッキツ、お前の中……ッ!」
「う、うッ……、ぁ、や、だ……なか、に……ッ」
 ひくひくと泣きながら、草太は自身の下腹を押さえた。その手の平の下、男の太いペニスはドクドクと息づいている。
 鏑木は精液を出し終えると、身体を起こしニタリと草太の顔を覗き込んだ。草太の目は焦点が合わず、ぼんやりと天井を見つめている。
「そうだ、その顔だ……それが見たくて俺は、こうして……」
 鏑木はまた、ムクムクと下半身に集まる血に従って、腰を引き、突く。
「あぅッ」
「絶望する草食動物の顔だ……、気付いたら真後ろに天敵がいた時の怯え竦んだ目…それが潤み、絶望に落ちていくその時が……最高に、興奮する……ッ!」
 鏑木が腰を使うと、中に吐き出された精液が掻き出される。ぐちゅぐちゅという音が、静かな教室に響く。
「あぅ、ふッ……う、あ、ぁ……ッ」
「そうだ、お前も撮ってやろうな。久しぶりの狩りだ……」
 鏑木はポケットからスマートフォンを取り出すと、カメラを起動する。目を見開き身を固くする少年に構わず、パシャパシャ、と顔のアップを写した。身体を引いて、顔と結合部が一緒に写るようにもした。脱力した草太は無抵抗に、されるがままだ。
「長かったな……これまで。お前を見つけるまで、だいぶ耐えたよ。そうだ、お前にも見せてやろうか。これからお前も同じようにハメ撮りしてやることだし……」
 鏑木はスマートフォンを操作すると、画面を草太の方に向けた。草太はぼんやりとしていた焦点を彷徨わせた後、画面にフォーカスを合わせる。

 画面には、学ランを着た少年のバストアップが写っていた。
 着た、とは言ってもその胸は肌蹴て、中のシャツはボタンが外れて肌が露出している。片方の乳首がチラチラと覗いていたが、まるでサクランボのように真っ赤に腫れていた。
 画面がぶれて、少年の抱え上げられた膝もフレームインする。少年の足は剥き出しだった。
 一時的に画面の揺れが収まると、カメラはゆっくりと少年の顔から下へスライドしていく。胸、臍……少年の股間。幼いペニスは緩く起ち上がり、先走りで濡れていた。
 さらに下に下がったところで、少年の身体が押し潰される。ひぐ、と悲鳴をあげ折られた身体、その形のいい小さな尻には、男の赤黒い男根がぐっぽりと挿入されていた。
 端末のスピーカーから微かに音が聞こえてくる。鏑木は音量を上げた。
『あ、あ――ッ! や、いや、やだあぁぁぁッ!』
『くぅ、う、ふぅ……ッ! ああ、好い……最高だ……ッ』
 少年の甲高い叫びと、男の声。もちろん、恍惚に酔いしれる吐息混じりの声は、鏑木のものだ。
 学ランの少年は必死に抗おうとしていたが、力の差は歴然で、抵抗も虚しく男に好き放題突き上げられていた。真っ赤になった顔は涙に濡れ、絶え間なく高い喘ぎを漏らし続けている。
『さく、と……桜斗(さくと)……ッ! お前の、その声は……本当にそそるなぁ……!』
『いやッ、……やだぁ、ンッ!せんせ、せんせ、いッ、も、やめ、や、あああッ!!!』
『うぅッ……! 搾り取られる……ッ、』
 画面が少年の泣き顔でいっぱいになる。真っ赤になった少年はヒクヒクと肩を震わせながら、カメラから目を逸らした。熱い吐息がかかり、画面が曇る。
 よく見ると、少年の顔が濡れているのは涙のせいだけではなかった。口元にも頬にも、どろりとした白濁――男の精液を浴びているのだ。
 泣きじゃくり顔を隠そうとする手を、鏑木は邪魔そうに跳ねつける。
『桜斗、もっとその可愛いピンク色の顔見せてくれよ。俺のチンポずっぽり咥え込んで、ヒィヒィ悦んでる顔をさ……ッ』
『い、やだ、や、あッ! も、ゆぅし、て、あぁぁぁッ!』
 ずちゅ、ぬちゅ、という水音と、画面の揺れがシンクロする。少年はいや、いや、と高い声をあげながら、その身体を犯され続けていた。

 映像を見せつけられた草太は、目を見開いて静かに泣いていた。自分と同じ目に遭っている少年を見て我が身を顧みたか、あるいはこれから同じことをされることに絶望したか。
 ぼろぼろと透明な涙を流す草太に興奮した鏑木は、密着させた腰を動かし始める。
「はは、こうすると3Pみたいじゃないか? なぁ、草太」
「ぃ、あ……ッ、は、」
 眼前に掲げられた画面の中、桜斗と呼ばれた少年は全身を真っ赤に染め上げて仰け反り、男の突き上げに反応していた。同じ律動で、草太もまた中を擦られる。悲鳴を上げているのは画面の中の少年か、草太か――鏑木のエクスタシーはいよいよ高められていく。
「く、ぅ……、この子……桜斗はな……、名前の通り、全身桜色になって悦んでた……15歳だった。俺に、よく懐いて……ふふ、可愛かった」
 うっとりと思い出話を聞かせながらすると、草太の中がきゅんと締まる。鏑木は続けた。
「恥ずかしがりで……服を剥いただけで真っ赤になった。それから、乳首をしつこく虐めてやった。赤く腫れあがる、まで……ッ」
 桜斗にしたように、草太の乳首をなぞる。
『ねが、ッ……やめ、て、せんせ、せん、ンッ、ふ、あ、あ、あッ』
『ああ、またイく、イく、出すぞ! 桜斗の腹の中、いっぱい――!』
『いやだッ! いや、いや、中いやぁッ!!』
『うう、ぐぅッ――!!』
『ひ、ぃッ――、ぃ、ひぎ、あ……ッ!』
「あ、はッ……ああ、あ……」
 桜色の少年は達し、鏑木の出した精液を腹の中で受け留めた。同時に、草太も自分の中に熱を感じていた。
 鏑木は身を起こし、画面を動画に切り替える。ぐったりと横たわる草太にカメラを向けた。
「おっと、草太を撮り忘れちゃったな。ほら、画面を見て?」
 ぺちぺちと頬を叩かれ、草太は薄く目を開ける。目の前にカメラがあった。
「あ……」
「はい、秋山草太くんでーす。今、俺のチンポをずっぽりケツにハメて悦んでまーす」
 スマートフォンは下半身に移動していき、2人の繋がっている部分をズームする。草太の身体が緊張すると、鏑木はわざと腰を揺すった。
「ひ……ッ」
「ほら、ほら、入ってるぞ、奥まで。俺の精子、2回もぶちまけたから妊娠しちゃうかもな」
 ぺたぺたと薄い腹に触る。反応をなくした草太を覗き込み、唇を合わせる。
「んむ、ふぅ……ン、」
 ぶちゅぶちゅと吸い、口内を味わう。唇を離すと、草太の唇がわなないた。鏑木は耳を寄せる。
「ん? どうした、草太。どうして欲しい?」
「……もう、……い……、」
「ん? なんだ? 欲しい?」
 その時、しゅるりと細い布が首元に巻きついたことに、鏑木は気付かない。
「――もう、おしまい……?」
 次の瞬間、ぎゅ、と喉を締め上げられ、鏑木は踏みつけられた蛙のような声を漏らした。
「よ、くも桜斗を……ッ!」
 草太は目元を涙に濡らしながらも眼光鋭く鏑木を睨み、手綱を絞る手にグン、と力を込めた。
「ぐ、げッ……!」
 鏑木は首に食い込む細い紐を掻き毟る。見るとそれは、草太が着けていたネクタイだった。いつの間にか首にぐるりと巡らされ、二重になって首を引き絞っている。
「なん、でおま、が……ッ、さく、と……、知って、」
「桜斗は……俺の大事な、大事な人だ……!」
 ぎゅぎゅっ。草太の手に力がこもる。
 ――長かった。1年の間、この男の尻尾を掴むのに奔走し、さらに1年をかけて巧妙に罠を張り巡らせた。あとは手中に収まった命を、手の中で搾り取るだけだ。
 草太は鏑木に犯されながら、見開いた目で獲物を睨み、口元に冷酷な笑みを浮かべた。

2016/09/25


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