Long StoryShort StoryAnecdote

僕のクロ


第3話−3


「そうだよね、怖いよね。でも大丈夫だよ、君なら……君の身体ならわたしのこの長いものも全部飲み込めるよ。さっきのディルドより少し長いけど大丈夫……大丈夫、」
「ひっ、……あ、あ、……て、……やめ、て……っ」
 ジャララ、と鎖が鳴る。クロが手錠のかかった手を振り回して必死に抵抗を試みたからだ。しかし当然ながら、ほぼバンザイの状態で固定されている腕はそれ以上自由が利かない。
 ──自由。
 自由になれたら、こんな思いもしないで済むんだろうか? 主人と離れて生きていけるとは思えない。けれど、こんな恐ろしい目に遭わずにすむのなら。
 一瞬そんな考えがクロの頭を過ぎったが、男の手がクロの腰をしっかりと掴み、押し潰すように上から挿入を深めていくと何も考えられなくなった。
「あああ、あ、あ、あ! やめ、てやめてやだ! やぁっ! 何でもします、何でもしますから……! 奥は、はぁぁぁ、あんっ、あんっ! あ、あ、ああぅっ!!」
 強引に丸められた背中にビリビリと電気のような快感が走る。快感なのに、それが恐ろしくて堪らない。
「くっ、うう……ああ、好い……っ、深く、まで……わたしを……!」
「ひっ──、ぃ、ッ──!!」
 男の肌が尻に密着し、根元まで挿入されたことがわかったが、それはつまり男の性器がクロの結腸まで届いていることを意味した。
「ひ──あ、あ、あ、……ぁ、ひ、」
 狭い肉筒が、主人とは違う大きさのもので押し拡げられる恐怖。クロは大粒の涙を流しながら絶頂を極め、チョロチョロと失禁していた。
「おや、おもらしか? 悪い子だ。ふふ、でもよく頑張ったね。君みたいな小さな身体に受け入れてもらえたのは初めてだ……でもまだ、これからだよ?」
 クロの瞳にはもはや光がない。彷徨う目の焦点は合わず、虚空を見つめたまま虚ろに助けを乞う。
「も、むり、れす……やめ、て……むり、む、ぃ……い、ひ……ッ!」
 ぐ、ぐ、ぐ、と腰を押しつけられてメリメリと奥が開く。男の亀頭部がクロの結腸の襞を強く抉るのに、そう時間はかからなかった。
「がっ……ひ、が……」
 クロは舌を出して涎を垂らしながらビクビクと痙攣する。男はそんなクロを自分の腿の上に座るよう抱き上げると、下から勢いよく貫いた。
「ぎぃっ──!!」
「もっと色気のある鳴き声を聞かせてくれないか? ん? 中、どうなってる?」
「ひ、う……あ、め……! えぐ、えて……りゅ……!」
 ヌリュヌリュとぬめった硬い性器が、クロの柔らかい雄の膣壁を。閉じていた粘膜は強引な異物の侵入にいやらしい糸でも引いて、ゆっくりとその口を開けていることだろう。
「も、はいらな、で……」
 弱々しく眉を八の字にしたクロが哀願するが、それに反して膣は男の精液に汚されるのを望むように、突かれる度に襞を開いていく。
「ら、え……おかし、な……っ」
「くく、こんな深いところにペニスを突っ込まれて感じてるなんて、君はとっくに普通じゃないよ」
「ひぅっ……、も、むり……そ、こぼくの、らいじな、とこぉっ……!」
 じゅぷぅ……っ、とゆっくり熱を押しつけられて、クロはまた達した。いや、この行為が始まってからずっと絶頂したままなのかもしれない。クロ自身にももう、わからなかった。
「ごひゅじ、の……、かた、ち……こわえちゃ……っ、」
 何度も身体で覚えさせられた主人の性器の質量や熱、硬さ。あれで奥をめちゃくちゃにされるのが好きだった。同じことをされているのに、こんなにも苦しいことにクロは戸惑う。
「わたしの方が君の主人のより長いだろう? ほら、君のおマンコの奥まで届いてる」
「あ"あ"あ"、あ"、あ"、あ"、ら、めらめ、らめぇっ!」
 ミチミチと奥の肉を抉じ開け、ヒクつく狭い結腸の奥。主人にも明かしたことのない領域まで踏み入られて、クロは主人への裏切りに胸を引き裂かれそうになる。
「ひっ……しゅ、じ……ごめ、なさ……っ」
「あはは、ホント……ヤバいね、君。こんなに深いところまで……普段どんなことしてるの?」
「ひ、ぃ……あ、ぅ、……ぁ、」
「ふふ、可愛い……よし、わたしの子種を受け止めてくれよ……君の子宮で」
 男の精子がピュル、ビュルビュル、と中の具合を伺うようにゆっくりと発射された。クロは身体の深いところ、今まで感じたことのないような奥深くでその熱を受け止めて目を見開いたまま声もなく痙攣する。
「ここ、君の子宮だよ、クロ」
「か……ひゅっ……、」
 声も出ないクロの腹を撫でながら男はうっとりと囁いた。
「赤ちゃんを作る部屋だよ。今たっぷり僕の精子を出してるから」
 男はクロの手錠をはずしてやると、ベッドの上に四つん這いになるようクロを押さえつけた。クロの腰を引き上げ、上から押し潰すように性器を突き挿れる。
「ぎ、いっ、ひ、ひ、ひぃ……っ」
「ふふ、可愛い……、君を買い取りたいよ」
「や、あ、あ、あ、」
 射精しながらも男は腰を動かし、穴からは泡立った精液が卑猥な音を立てて溢れた。
 もう、体位などなかった。クロの身体は男の下で好き勝手に手足を丸めこまれて、男がより強い快感を得るためだけに強引に動かされる。時に片足だけ肩に担がれ、時に俯せた状態で上から。
「ひにゃ、ああ、ぁ……っ」
「可愛いよ……その鳴き声も、顔も……」
 頬を撫でられたクロは目を閉じるとその手にスリスリと頬擦りした。性奴隷として躾けられた半獣の習性のようなものだ。どんなにひどくされても、今自分を捩じ伏せる者に服従する。耳はぺったりと伏せ、尻尾は媚びるようにくねくねと揺れて時折男の足に絡みついた。
「さぁ、もう1度出すよ……っ、今度は、君の身体に……っ!」
 じゅぽじゅぽとピストンをしていた男は、クロの足を掴むと強い締めつけに抗ってにゅぼ、と強引に性器を引き抜いた。瞬間、爆ぜる白濁。盛大に飛散したそれは仰向けになって股を拡げているクロの顔や胸、足など全身にぶちまけられ、凄惨な凌辱の幕引きとなった。
「あ……は、……は……ぁ、」
 クロは表情もなく涙を流したまま、茫然としている。もう指先ひとつ動かすこともできないとでもいうように、手足もだらしなく開いたまま。性器を抜き取られたアナルからは夥しい量の精液が溢れて、クロの体液を吸い込んだシーツへトロトロと流れて水溜まりを作っていた。
「さっき、君の主人に君を買い取りたいという話をしたんだがね」
 男はゆっくりと身体を起こすと自分の衣服を整えながら言った。
「君だけは手放さないと言ったんだ。いくら詰まれても譲らないとね。嬉しいかい?」
 クロから返事はない。もうすでに、意識をなくしていた。男はその寝顔を覗き込むとクス、と笑う。
「でもわたしはどうしても君を手に入れたくてね。君をここから誘拐することに決めたんだよ。彼が本気なら、血眼になっても君を探し出すはずだろう? もしそうなったら君もハッピーエンドだ」
 男はジャケットを羽織るとクロの身体をシーツで拭い、電話を1本入れた。間もなく、黒いスーツを着た男達が部屋に入ってくると、クロを綺麗な布に包んで子供が入るには十分な大きさのスーツケースに詰め込んでしまう。
「続きは家に帰ってのお楽しみだ」
 男はパン、と手を打つとその場を後にした。

2018/07/29


←Prev Main Next→
─ Advertisement ─
ALICE+