Long StoryShort StoryAnecdote

傾いた家


緋色の首輪


A……12

「お父さん、あの、夜の……ああいうの、もう……したくない、です……」
 小学校の卒業式から帰って来た篤は、ブレザーを着たまま俺の寝室に入って来た。俺は俺で、保護者として式に列席したからスーツを着替えているところだったが、上着を脱ぐとベッドに座った。
「ああいうの、って?」
「……ぁ、の」
「はっきり言わないとわからないよ、篤」
「……せ、くす……」
 か細い声を震わせ、ギュッと唇を噛む。スラックスを掴んだ手の甲は、力を入れ過ぎて白くなっていた。
 篤とはこの半年ほどの間、何度も甘い夜を──セックスをして、過ごして来た。最初はバスルームからダイニングのソファで、またある時は篤と弘の部屋で、あるいはこの寝室で。
 その都度、篤は恥じらい、拒む仕草を見せた。当然と言えばそうだろう。俺と篤は血の繋がった実の父子で、篤はこれから中学生になるという繊細な年齢だ。俺の愛情の形が理解しにくいのはわかる。
 けれど困惑と不安に揺れる表情は、俺が愛撫すれば途端に快楽の海に溺れ、ぎこちなく身じろいでいた身体も日を追うごとに淫らに開かれていった事実がある。それは篤自身が1番よくわかっているはずだ。
 俺は立ち上がるとドアのところで緊張して佇立する息子の肩に手を置いた。一瞬ビクリと震え、恐る恐る顔色を伺うかのように俺を見上げる。その瞳はすでに潤んでいて、この相談をするのに相当な勇気を要したのがわかる。ここ何日か塞いでいたのはこのせいか。
「篤、お父さんとのセックスはね、いつまでということはないんだよ」
「え……?」
「いつも言っているだろう? 篤はこの家のお母さんで、お父さんの妻なんだよ。愛し合っている同士、セックスをするのは当然じゃないか」
「そんな……そんなの、」
 後ずさる篤をドアの前に押しつける。ドアは内開きだから、篤はこの部屋から出て行くことはできない。
「これから、中学生になる篤も抱きたい。高校生になっても、大学生になっても……大人になっても、お父さんは篤をずっと愛してるよ」
 篤の膝は震えはじめていた。俺は篤の腕をギュッと掴むと唇を合わせた。背が小さく華奢な息子──妻は、天井を仰ぐかのように細い首筋を仰け反らせてそれに応じてくれる。
「ふっ──ん、む……」
 片手をスラックスに滑らせ、股間のあたりを撫でてやると、鼻から抜ける甘い吐息を漏らして俺の胸を押した。でも簡単には離してやらない。
「あふっ……ん、ふんっ……!」
 舌を絡めさせると、篤の股間はムクムクと可愛らしい反応を見せる。ああ、俺を求めてくれている──その喜びに、俺はしばし酔いしれる。
「……篤、このまましよう」
「や、だめっ……!」
 唇を離した途端、篤は俺の腕を掴み返し身を捩ったが、俺はそのまま篤のブレザーを剥いでしまうとベッドの上に投げ出した。その上に覆い被さり、もがこうとする足を膝で押さえつける。
「そのブレザーならもう着ないだろう。また必要になることがあれば新しいのを買ってあげるよ。だから……今日はよそ行きにめかしこんでる篤を抱かせて」
「やっ……、」
 ネクタイに手をかけしゅるりと解くと、まだ抵抗しようとする手首をそれで結んだ。恐怖に強張る顔もまた、可愛い──こういう趣向もたまにはいいだろう。
「可愛いよ、篤」
「んっ……んうっ」
 囁き、またくちづける。篤の唇も舌も、吐息さえ甘く、俺を狂わせる。
 そうしながら篤のシャツのボタンをはずし、ベルトをはずした。するりとスラックスを滑らせると、白く美しい足が。見られるのすら恥ずかしいとでも言うようにもじもじと蠢くのが艶かしい。
 堪らず、閉じようとする両足の隙間に手を突っ込み、内股を撫でさする。そうするだけで篤も興奮してきたのか、鼻息が苦しげに荒くなった。
「……ぉねが、ゃめて……っ」
 唇を離すと、糸を引いた唾液を口端から零しながら篤は言った。唾液の分泌量が多いのは興奮している何よりの証拠だ。
「今日はおめでたい日だから、いつも以上に気持ち好くしてあげるからね」
 そう言って、下着の上から篤のペニスを刺激した。そこはすでに湿り気を帯びている。
「やあっ……! やだ、やっ……触らないで……!」
 早くも涙混じりの篤だったが、俺はその懇願を跳ね除け乳首にむしゃぶりつきながら愛撫を続けた。
 篤は乳首までもがひどく敏感で、最初の時からそこへの重点的な愛撫だけで達したほど。以来、まずおとなしくさせるならと、篤の好きな乳首を可愛がってやることにしている。白く滑らかな胸に咲く可憐な赤い実は、いかにも俺に可愛がって欲しそうにツンととり澄ましていたが、悪戯に触れると篤はくすぐったそうに腰をくねらせる。
 ちゅぷ、ちゅう、ちゅ、ちゅっ
「あ、あっ……! ん、は、はぁ……ぅ、」
 ぴちゃ、ぴちゃ、ちゅうっ、ぢゅぷ……っ
「やあっ……! は、ぅンッ……!」
 舌先でこね回し、唇を窄ませて吸い上げると、篤の乳首はピンと勃った。間近で見るそれは鮮やかなピンク色をして、俺の唾液でツヤツヤと妖しい光沢を放っている。ああ、この乳首から母乳を飲めたらどんなに幸福だろう──思い、俺はまるで赤子のようにそれに吸いつき、ちゅばちゅばと吸い上げた。
「ひぁうっ……!! い、やっ……それ以上、しないでぇっ……!! あ、あっ、やぁあっ……!!」
 ぢゅう、ぢゅぷ、ちゅう、ちゅば、
 もう一方は指で緩く、時に強く摘みこね回しながら、これでもかと刺激を与える。篤の乳首はまるで剥き出しになったクリトリスのように敏感で、舌先がツンと触れるだけでペニスの先から先走りをこぼした。
 ぴちゃ、びちゃ、ちゅ、ぢゅうっ……
 篤はビク、ビクッ、と身体を痙攣させると、嗚咽を漏らしながら脱力した。俺が触れていた篤の下着は、ぐっしょりと濡れていた。
「ぁあ、あっ……は、あぅっ……、」
「あーあ、もうイッちゃうなんて……篤は中学生になるのに、おちんちんの我慢がないね」
「ひっ……ひぐ、うっ……ぅ、」
 べっとりと濡れた下着を脱がしてやると、白い粘液がいやらしく糸を引く。篤は1人ではオナニーをしないのか、1週間空くだけでもずいぶん濃い射精をする。自分でできないのは心配だが、俺がこうして管理してあげれば何も問題ない。
「さあ、篤……お父さんのおちんちん、篤の中に挿れさせて?」
「……っ」
 篤は顔を伏せたままフルフルと首を横に振ったが、俺はネクタイで結んだ篤の腕の中に首を通すと、自分のスラックスの前を寛げた。
「ああ、式の間も早くこうしたくて堪らなかった……っ」
 俺は興奮に上擦る声を篤の真っ赤な耳に吹き込むと、すでに硬く漲ったペニスを篤のそれに擦りつけた。
「篤……乳首でイくお前を見ているだけで、お父さんのおちんちん、こんなに元気になっちゃったよ」
「は、うっ……!」
 長さも太さもまったく違うそれが、ヌルヌルと擦られて気持ち好い。そうしている間にも篤のペニスの先端からトロリと先走りが溢れるのが可愛くて堪らなかった。
「篤も期待してる、そうだろ?」
「ちが……、」
「相変わらず恥ずかしがり屋だね」
「や……っ!」
 篤の出したものを指に絡めて、後ろを探る。篤のアナルは俺の指とペニスしか知らない。夫だけを受け入れる、貞淑な妻の身体──俺は愛妻の貞節にある種の感動を覚えながら、その信頼に応えるべく手を伸ばした。
「んぅっ……!」
 ぐちゅり、中指を指し挿れれば中はヒクンと痙攣しながらも、もっと、と強請る。人差し指を足して、ヌチヌチと入口を虐めれば、今度は篤自身が物欲しそうに腰を捩るのだ──足りない、もっと太くて長いのが欲しい! ……そう言っているかのように。
「ふ、っ……ふぅ、あっ……やぁっ……!」
 ぐち、ぐち、ぬちゅ、
 指だけでもたっぷりと時間をかけて可愛がると、篤は擦りつけるように腰を浮かせて股を大きく開く。
「おと、さ……やめてぇっ」
 真っ赤になった顔を苦しげに歪めてさえ、篤は愛らしかった。いや、普段のおっとりとした様子からは想像し得ない余裕のない表情、他の誰も見たことがないであろう快楽に悶える仕草は、ギャップも相まって俺の目を存分に愉しませてくれる。
 涙と情欲に濡れた瞳と上擦った高い声でやめてと言われても、それは無理な相談というものだ。
「やめてって顔じゃないな」
 思わずクスクスと笑い声を立てながら、熱くなったペニスを篤のアナルに擦りつけた。俺のものも先走りをにじませ、篤は篤で指で解された穴は女陰のようにいやらしく濡れている。早く挿れてくれと言わんばかりのその淫らな窄まりに、俺は逞しいペニスをグッと押し当てた。自分でもそれが熱を持っているのがわかる。篤の顔が、期待と興奮でさらに赤くなった。
「挿れるよ、篤っ──!」
「ひ、ぃっ……!!」
 何度しても、篤は挿入の瞬間にギュッと目を閉じる。ボロ、と涙がこめかみに流れるのが美しい──見惚れるのも束の間、ペニスにねっとりと絡みつく腸壁、熱く蕩けるような粘膜にギュウギュウと締めつけられて、俺は恍惚としながら目を細める。
「ああっ、篤……っ! 篤の中、やっぱり最高だよ……!」
「あ、あっ……、はぁ、はっ……は、は、はぁ、あっ……!」
 篤はまるではじめてみたいに初々しく苦しげな息遣いをして、薄く目を開けると俺をじっと見つめた。いったい何を考えているだろう。
 篤の身体の内側の淫魔のように淫らな反応と、恥じらい苦悶する外側の反応との板挟みになって、俺は征服や嗜虐といったサディスティックな感情と、愛情や庇護といった母性に近い感情とに揉みくちゃにされる。壊したい、護りたい──いずれにせよ、ずっと自分だけのものでいて欲しい。
 今日は小学校で篤の同級生達をたくさん見たが、やはり篤のような子は1人としていなかった。女の子にちやほやされている顔立ちの整った少年さえ、篤の魅力には及ばない。篤の方がよほど美しく、聡明で──ああ、愛しくて仕方ない。
「篤──篤、愛してる……!」
「ふうっ……ん、はっ……! ん、んっ……!」
 くちづけながらゆっくりとペニスを押し込んでいく。少し抵抗するようにきつく締めつけてくるが、ひとたび飲み込めばビクビクと震えながら、素直に俺を愛撫してくれる。
「ひあっ!? あっ──あ"ぁッ!!」
 びくびく、ひくんっ──きゅうぅぅぅうんっ
「うっ、おおっ……! はぁ、篤ぃ……っ!! ふふ、いつもより締めつけが強いみたいじゃないか……どうしたんだ? ネクタイで縛られて、興奮しているのかな」
「ひっ……! う、ぅっ……も、やだ……こんなこと、したくないよぉ……!」
「嘘はダメだよ、篤。ほら、篤の中……いつも以上にお父さんのおちんちんを締めつけて、すごく悦んでるよ」
 ずぷ、ずぷ、ずぷ、ずちゅ、ずちゅ
「いや"、やぁあ"ぁぁぁあっ……!!」
 びく、びくんっ、きゅん、きゅん、きゅうんっ
 泣き叫びながらも、篤は確かに絶頂していた。俺のペニスに何度も擦られた腸壁は従順に懐く犬のように、俺の亀頭部をいやらしくペロペロと舐める。あまりの気持ち好さに意識が遠のきそうになるが、リードを握るのはあくまでこちら側だ。
「篤っ……! 篤の中……お父さんのおちんちん扱いてっ、どんどん敏感になってるだろ……? こんな気持ちの好いセックス、やめられるわけないよなぁ……っ!」
「あ"ぁンッ!! あ"、ぁあっ、はひぃっ……ン"ッ!!」
 ヌチュ……、ヌチュ……、とゆっくり粘膜を擦りあげる。俺は快感が高まると動きを止めてキスをしたり、乳首を愛撫したりと休憩を挟みながら、焦らすようにいつもよりじっくりと時間をかけて篤の中を愉しんだ。熱く、ねっとりとぬかるんだそこは、俺のペニスに絡みつき舐めしゃぶるかのようだ。
「おっ……ふぅ、ううっ篤……っ、はぁ、ここっ……うっ、ここをこすると、すごい……っ!」
 狭いところをグリグリとこすり、カリ首を扱くように抜き挿しすると、篤は細い腰を捩って甘く切なげに鳴いた。
「ひっ……ひぃ……ン、……っ、ふぁ、……ひ、ひうっ……ひンッ」
 あまりに可愛らしい声。この声も、これから少しずつ低くなっていくんだろう。今日の篤は今日しかいない。だから俺は、いつもしっかり記憶に刻みつけるように丁寧に抱く。
「ああっ……! はぁ、あつ、しぃ……っ!」
 入口まで引き抜いていたものを、再びゆっくりと深く沈める。それでもまだすべては収まりきらなかったが、篤は高く鳴き喘いだ。
「ひぁあぁぁぁあっ……!?」
 俺のペニスの熱さも、硬さも、太さも、すっかり馴染んでいるのに、篤は何度抱いてもうぶだった。感度こそ日増しに好くなっていくけれど、俺の一挙一動に熟(こな)れる様子もなく、毎回驚いているみたいに敏感に感じてくれるのが嬉しい。これこそ、男の性の悦びではないか──ゆっくりとストロークを繰り返すうち、篤は射精せずに達していた。絶頂しているのにも構わず、俺は快楽の渦で苦しむ篤に慰めてもらう。
 篤はボロボロと大粒の涙を流して泣いていた。
「ひっ……ひぐ、ううっ……ぃて、おねがぃ……もう抜いて、」
「すまない、篤……お前があんまり可愛くて、つい夢中になってしまった」
 俺は親指の腹で篤の涙を拭う。抜いて欲しいと言いながら、篤は俺のペニスをきつく締めつけて離そうとしなかった。俺が抗うように腰を引くと篤は甘い悲鳴をあげ、中はさらに逃すまいとする。俺はまた、腰を進めざるを得ない。
「ひっ! ひあっ……! あっ、お、れ……もう、で、ないぃっ……!」
「ごめんね、お父さんはまだなんだよ。篤の中でイかせて?」
「や──!?」
 ゆっくりとした動きの最中、ズンッ、と急激に深く突き込むと、篤は衝撃に息を詰まらせた。
「──〜〜ッ!!」
 絶頂に次ぐ絶頂──その快楽に喘ぐ表情の、なんて淫らで魅力的なことだろう。
「……速く、動くよ」
 宣告すると、俺は篤の身体を掻き抱くようにして腰を強く振りたくった。
「あ、あ"っ!! あはっ、あ!! あ、あ"っ!!」
 ずちゅ、ずちゅ、ぐちゅ、ばちゅ、ばちゅっ
「はぁ、は、は、篤、あつしぃっ……!!」
 ぬぢゅ、ぬぢゃ、ぐちゅぐちゅ、じゅぷっ
「ひあっ、あ"ッ!! あ、あ、いやっ、いゃあ"ァッ──〜〜!!」
 肌と肌がぶつかり合い、汗や精液が飛び散り、粘膜と粘膜が絡み合う音と篤の濁った嬌声が部屋を満たす。
 弘は今日は終業式の後、クラス会で遅くなると言っていた。それまで、日の高いうちからたっぷりと夫婦の甘い時間を過ごすことができる。
「や、いや、あ"っ!! は、はぁっ、んっ! と、さ……おと、さんっ、お父さん……っ!!」
 篤は泣きながら必死に俺を呼んだ。俺は応える代わりにペニスで奥を穿ち、篤からも言葉を奪う。
「ふっ、ふうっ、うっ、はぁ、篤、うう、おうっ……!」
 ゆっくり、じっくりと愛してやったそこは、こんな風に乱暴にされるのを待っていたのだろう。もっと、もっと突いてと言わんばかりにうねうねと絡みつき、襞のひとつひとつが敏感に感じているのまでわかるかのようだ。
「はぁあんっ!! ひ、はひっ……!! ン"ひぃいっ……!!」
 篤の身体は全身が上気し、匂い立つ花弁のようだ。行為を続けてきたせいだろうか、篤の股関節は女のように柔軟で、俺の下半身をがっちりと押さえ込むかのように深く受け入れる。その様子は美しい花びらというよりは、捉えた獲物を逃がさない食虫植物のよう──捉えられた俺は、かろうじて自由の利く濡れた雄蕊を、花芯の奥深くに出し挿れさせるよりほかに脳がない。
「はぁ、はぁ、はっ、はぁ! あっ、あつ、しぃ、」
「んあ"っ!! おと、さっ……ぁ!? あ"ひィッ…….!!」
 俺は篤を抱え上げるとベッドから立ち上がった。数歩進んで、篤が入って来た扉に篤の背中を押しつけると、駅弁の体位でこれでもかと奥を責め立てる。
 ずちゅっ、ぐちゅ、ずちゅっ
「ひぐっ……、うっ、うあっ……」
「う、うっ……! 篤っ……今日はずっと、この部屋で過ごすのもいいね……!」
 これから夕飯もある。実際にはそんなことはできないが、俺の寝起きするこの部屋、この扉の内側に永遠に妻を閉じ込めてしまいたかった。日がな1日繋がって、篤と1つの肉塊になる──篤の最も深いところにその願望を訴えるかのように、俺は何度も何度も熱を叩きつける。
 ズンッ、ズンッ、ズンッ、ズンッ!!
「お、くらめっ……ぇ、おく、ひび、て……っ、こわえぢゃ……ぅ、うっ、」
 ガタガタと鳴る扉が俺の興奮を物語るかのようで少し照れたが、しかし動物的な本能のまま獣のように前後する腰の動きを止めることはできそうにない。
「篤っ、篤ぃっ……! ああ、奥まで……こんなに熱く、してっ……!」
 ずぷっ、ずぷっ、ずちゅっ、ずちゅんっ
 亀頭部が奥の扉を責め立てる。篤の顔が歪む。入ってはいけないところまで深く──。
「卒業証書……受け取ってる篤の背中……見ながら、ああ、早く挿れたいって思ってたよっ……!」
 きゅうっ、きゅん、きゅうううぅぅぅ……っ
 篤もそうだったのか? まるで返事をするかのような腸壁──雄膣の反応に歓喜する。
 幼い妻の身体は小さく、俺の長大なペニスは体位によっては簡単に結腸まで届いてしまう。駅弁の体位ともなればなおさらだ。篤の体重も手伝って、俺は3つの狭い扉を順番にノックしていく。
「だめ、だめえっ……!! 深いぃっ……! ふ、ぐうぅっ……!」
 自重で俺を深く受け入れた篤は、俺の肩口に顔を埋めて嗚咽した。その間も篤の熱い粘膜はビクビクと反応し、叩かれた扉は着実に開かれていく。やがて最初の弁が俺のペニスの亀頭部をぐぷりと飲み込むと、篤は小さく叫んでその状態で絶頂ししばし気絶した。
「篤……起きて。お父さんももうイくよ。お前の子宮に精子を出すからね。お父さんの子を産んで、篤」
 篤が目を覚ますまで、赤子を寝かしつけるように待って、目覚めるとまた腰を揺らした。
「篤、篤……っ、出す、お父さん、篤の子宮にたっぷり精子出すよ……!」
「ひ、ひうっ、ううっ、うっ……や、あっ……! ああっ、いや、や"ぁぁぁ……っ!!」
 泣き喘ぐ篤の子宮口にコンコンとキスをし続け、そこに生命が宿るのを願いながら奥で射精した。
「うお、おおうっ──〜〜ッ!!」
 びゅぐ、びゅぐびゅぐ、びゅるるっ──!!
「ひっ……!! が、あっ……!!」
 中出しされながら、篤も中で達しているのがわかる。ビクビクと痙攣する膣に、俺は自分の射精が永遠に続くのではないかとさえ思った。それほど長く、俺は篤の中にビュービューと精液を注ぎ込んでいた。篤の子宮に収まらなかった分は、繋がったところから溢れ出しパタパタと床に滴った。
「はぁ、はぁ……、篤……愛してるよ……」
 繋がったまま、ドスンとベッドに座る。篤のお腹の奥深くにハマったペニスはすぐには抜けそうにない。篤は俺にしがみついたまましばらくしゃくりあげていたが、その少し膨らんで見える下腹を撫でてあげた。
「次は学生服を着た時にしようね、篤……」
 手首のネクタイを解いてあげると、そこは擦過傷で赤くなってしまっていた。少しきつく結び過ぎたようだ。
「ごめんね」
 俺は篤の手首に優しくくちづけ、額にも唇を落とした。



 乱れたシャツと黒いハイソックスだけになった篤は、涙でぐっしょりと濡れた顔でうつろに自分の赤い手首を見つめていた。
 ああ、やっぱりこれは終わらないんだ、と諦めの気持ちが胸に染み込んでいく。
 自分の中で、卒業するまでの我慢だと言い聞かせていた。卒業すれば篤も中学生、身体だってきっと大きくなるはず。
 父親は、いつも篤を「可愛い」と褒めそやした。けれどそれも、大きくなって、男としての身体の特徴が顕著になってくれば──そう思っていたのに。
 初めてつけたネクタイは茜で染めたような深い赤色をしている。今朝は父に結び方を教わって、少し大人になったような、誇らしい気持ちを感じられたのに。それは結局、篤の抵抗を封じるために使われ、細く白い手首に赤い痕を残した。
 ああ、首輪だ──篤は思った。あれは大人の象徴なんかじゃない、自分で自分の首に首輪をつけたんだ。当然、その綱は父親の手に握られている。篤はきっと一生、その手から逃れられないのだ。
「篤、今日の夕飯はお寿司をとるからね。料理をしなくていいから、もう少し時間があるよね……」
 父親の握ったネクタイが、自分の首を引き絞ってはくれまいか。篤はそう願いながら、父親の言いつけ通りベッドの海に身を投げ出した。

2021/05/13


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