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渇き


第2話−4


 高鳴る心音に突き動かされるようにして、沖の腰も律動を再開する。そうなったら欲望はいよいよ止まらない。
 する前は女みたいに感じるのは変だと抵抗も見せた御園だったが、今や胸を弄られても感じ、突き上げの度にビクビクと痙攣している。
「おき、おきの、きもちぃっ……、もっと、もっと奥まで来て、」
 お願い、と切なげな表情を浮かべる御園に、「よしきた」とばかり、沖は深く腰を沈めて下腹を密着させる。
「あ"うッ〜〜〜……!!」
「どう、御園……? 俺の、どの辺まで届いてるか、わかるか?」
 上から見下ろす細く薄い腹の中に、自分のペニスが埋まっているというのはなんとも不思議な感覚だ。御園の腸内をぐちゃぐちゃに掻き混ぜているような気分だったが、それで御園が好い声をあげるのだから興奮は留まるところを知らない。
「こ、こっ……ここに、沖のが来てる……っ」
 御園は律儀に自分の臍の下辺りを撫でた。反り返った御園のペニスはすでに何度か射精しており、白濁で陰毛の薄い下腹を濡らしている。白い皮膚の下、御園の手に撫でられたように感じた沖は、甘い熱に埋もれた自分の脈がいっそう速くなるのを感じた。
「や、ばい俺、もうイくかも……、」
 ヌヌ、と腰を引こうとするも御園の熱やうねりが名残惜しい。キツい締めつけでこのまま乱暴に引き抜いたら御園の繊細な部分を傷つけてしまうのではないかと思う。
「待って、まだ抜かないで沖、」
 と、御園は食虫植物のように柔らかい股間接をガバと開き、足で巧みに沖の腰を引きつけた。ぎゅち、と身体が固定されて沖は目を瞠った。
「ちょ、お前っ……!? そんなにしたら……、うあっ!」
 イきそうになっていたところを捕らえられ、そのままグプグプッ、とペニスが御園の奥まで届く。
「ん"はぁッ──〜〜!!」
 自ら奥へと誘いながら、想定よりも深くに屹立を受け止めることになった御園は大きく喘ぎ絶頂した。ビク、ビクッ、と中が痙攣する。しかし勃起したペニスは震えているばかりで射精しない。御園はドライで達したのだ。その締めつけは先までの比ではなく、しかも不意打ちで根元までをきつく締めつけられることになった沖も堪らない。
「うあ、あっ……!? ちょ、みそのっ、チンコいってぇ……ぅあ"ッ……!!」
「あ、あっ、イッてぅ、イッで、イ"ッ……!! お"がしくな"っ……ひン"ッ……!!」
 連続で絶頂している御園は時折白目を剥いていたが、その壮絶な様子に気づかないほどに沖もまた快感に支配されていた。生まれた時から御園とひとつだったのではないかというほど、沖と御園の身体は深く密着し、律動するにも離れている時間がほとんどないほどの速さでぐちゅぐちゅと中を穿つ。
 沖は気をやっている御園の顎を引くと唇を重ね、正気を引き戻すかのように軽く頬を叩いてやった。
「くっ、みそのっ、凄いこれ、奥のとこ俺のに吸いついてっ……ビクビクして、るっ!」
 ドヂュ、ドヂュ、ズヂュンッ!!
 不安定なベンチの足がガタガタと鳴っているが、それすらも2人は気にならない。
「ひいっ──!! ひ、ひんっ、おき、おきぃっ! おきの、おく、おく来てるよぉっ……!!」
 いつしか御園の手は汗ばむ沖の背中を掻き毟り、獲物を逃さんとする両足にはますます力がこもった。沖の下腹にズキズキとした熱がこもる。まずい、このままでは──。
「まっ、足離し……うあっ、ちょ、これじゃ中、に出ちゃ……う、あ"ッ……!!」
 ビュルビュル、ビュグッ──!!
 奥の反応があまりに好くて、沖もまた御園の中で思い切り射精した。ビュグ、ビュルル、と断続的に続くそれが、御園を溺れさせる。
「あ、あっ……おきの、中に出てるよぉ……っ! すご、ぃ、お腹の奥熱くて、すご、きもちぃ……っ」
 御園は幸福に満ちた表情でこめかみにはらはらと涙を零す。まさしく快感に全身を包まれているかのように、上擦った声を震わせた。
「あ、はぁっ……みその……、すごい、好かった……」
 まだ止まらない射精に息を弾ませながら、沖が独り言のように言う。御園の腹の中は沖の精液を搾り取るように痙攣し、肉棒を締めつけ絡みついた。
「おき、沖、好き……。もっとしたい、俺の腹の中、沖の精液でびちゃびちゃに濡らして欲しい……、」
「み、みそのっ……、」
 なんてことを言うんだ、と沖は思ったが、御園の言葉に興奮を煽られてもいた。
「んっ……、ふっ、」
 ちゅぷ、ちゅ、ちゅうっ……と、どちらからともなくくちづけ、想いを確かめ合うように貪る。
 御園の身体からは少し力が抜け、きつかった締めつけもやや弛緩していたが、沖がペニスを抜かずに前後に出し挿れすると御園は小さく喘ぎ、緩んだ縁からは飛沫のような白濁が溢れた。ほとんど空気の介入も許さずにペニスを抜き挿しし、中で出したせいだ。
 それが自分の出した精液であることに、沖は甘い喜びと暗い独占欲のようなものを抱く。御園のここは、沖の味しか知らない。
「御園、すげぇ可愛かったよ。御園の身体、めちゃくちゃ気持ち好かった」
 言って額にくちづけると、御園は何度か目を瞬いた。それから、夢から覚めたかのようにハッと目を大きくして、パシ、と沖の口元に手を当てて押し返す。
「お、沖……、もう抜いてよ……」
 照れ隠しのように御園がボソリとそう言って、優しく沖の胸を押しながら脚を広げる。
 自分から足を絡めて沖に中出しを強いたのが恥ずかしいらしいのだが、ずっと開いていた御園の脚の付け根は強張って閉じることもできない。おまけに快感の余韻もあってか、まだ微かに痙攣している中は沖に再戦をねだっているかのようだ。
 言葉と裏腹の御園の身体の反応に沖がニヤニヤと笑うと、御園は顔を赤くしたまま拗ねたように顔を歪めた。
「……見るなってば」
「だって、あんまり可愛いから。どうしよう、俺、する度に御園のこと好きになる」
「やめろって、」
「なぁ、御園もそうだろ?」
「うるさい……っんぁ、」
 ぬぽ、とペニスが抜けると御園は甘い声を出してまた赤面したが、白濁を垂れ流す淫らな穴を沖が舌で埋めて中まできれいにしてやると、御園は両手で顔を覆って泣き喘いだ。
 それから、今度は御園が沖のペニスを口と舌を使って綺麗にしてくれた。御園の口淫が巧みなのはあの学生に教えこまれたせいかと思うと腹立たしかったが、しまいにはそんなことも忘れてしまうほど沖も快楽に溺れて、御園の喉の奥にたっぷりと射精した。
「もう、沖の精液の味覚えたよ、俺」
 自分で沖の快楽を導いたのが嬉しかったのか、得意になって御園が言った。
「何それ、変態。それを言うなら俺だって、」
 御園の中の形、深さ、弱いところ、全部覚えたけど。
 言ったら沖はまた学校中を逃げ回るかもしれないから、沖は「何でもない」と言って誤魔化した。
「ところでさ、こんなところでしたから俺、部活中に今日のこと思い出して勃っちゃいそう」
 というのも余計な一言だったかもしれない、と沖は後で思うことになる。
 それからしばらくの間、御園は部活に顔を出さなかった。沖自身も、背中につけられたひっかき傷のせいでしばらく部活を休まなければならなかったけれど。

2019/09/22


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