うぶなひと

(「げんきなひと」続き)


うぶなひと


最近赤葦が三年の教室に木兎に会いに来るのが気になるようになった。
赤葦が現れるとクラスの女子はヒソヒソと彼を見る。彼はもてた。

「こんにちは、霜月先輩?」

「あっ、うん?」

私は上ずった声で答える。
赤葦は前に私をからかってからというもの、私にこうやって構うようになった。

「わっ、私用事が……」

赤葦が私をじっ、と見るものだから、恥ずかしくなってバレー部のマネをしている雪絵ちゃんと香ちゃんに相談しにいこうと歩き出した。




最近ミオ先輩が気になるようになった。
元気な彼女に惹かれている自分がいた。

「こんにちは、ミオ先輩」

だから木兎さんを訪ねる度に彼女に挨拶をした。彼女は案外うぶなのは最近知ったことだ。

「わっ、私用事が……」

そうしてミオ先輩は俺を避けるように教室を出ていった。

やっぱり、うぶなんだな。

なんだか微笑ましくもあり、もどかしくもあった。

「俺の気持ち、いつ気づくんでしょうね」

誰に言うでもなく呟いた。


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千明さまリクエストです。
赤葦くんで「げんきなひと」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!


160704