士気をあげる

(「物足りない」続き)


士気をあげる



春高東京枠決定戦が終わった冬の日、私はいつものようにバレー部を訪ねていた。

「烏野も春高決めたって」

「マジか、やるな!」

木葉さんと木兎さんが話すのが聞こえ、私は休憩中の赤葦くんに訊いた。

「烏野って?」

「ああ、音駒のつてで知り合ったんだよ。宮城の高校」

赤葦くんは汗をぬぐいながら言ったあと、私にスマホを見せる。
そこに写るのは、ポスター。
スパイカーの写真が載った、烏野高校のポスターだった。

「すごい」

私はそれに目を奪われた。写真好きとしては、そのポスターに興味を抱かないわけがない。

「谷地さんって子が作ったんだって」

「へー! 私もひとを動かせる写真を撮れるように頑張らなきゃね!」

私が一人盛り上がれば、なぜだか木兎さんまでもが、うおお!、と士気をあげていた。

「霜月ってやっぱりすごいよね」

「え? なにか言った?」

「いや、何でもないよ」

赤葦くんの気持ちなんか、私は気づかぬままに。



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穂香さまリクエストです。
赤葦くんで「物足りない」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



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