おあいこ

(「慌てる私と」続き)


おあいこ



私はまたしても先生に頼まれ事をされた。
プリントを手に持ち運べば、体育館からボールが飛んできて、私はそれにぶつかって転んでしまった。

「いたた……」

「大丈夫……って、こないだの」

そうして体育館から出てきたのはこの前水をかけてしまった彼と、もう一人無表情な人だった。

「木兎さん知り合いですか」

「まあな。なあ、これでおあいこだな」

「あ、はい」

木兎さんと呼ばれた人はにかっと笑うと私の手をとり立ち上がらせた。
そして地面に散らばったプリントをかき集め、歩き出す。

「赤葦、俺ちょっと練習抜けるから」

つまりは木兎さんは私の代わりにプリントを運んでくれる気らしい。
おそれ多いと私は慌てて木兎さんからプリントを奪おうとしたけど、背の高い彼から奪えるはずもなかった。

「甘えとけって。えーと、名前は?」

「霜月ミオです」

「うん、ミオちゃんな!」

まただ。
また彼は眩しい笑顔を浮かべる。
だけどそれより、いきなりの名前呼びにドキッとしてしまった。



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穂香さまリクエストです。
木兎くんで「慌てる私と」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



170305