そんな彼女とのデート

(「行かないで」続き)


そんな彼女とのデート




霜月の提案でデートに行くことになった。
一応俺たちは付き合い始めたけど、だけどデートは初めてだった。

デートに選んだのは無難なショッピングで、霜月と俺は二人でいろんな店を見ながら歩いていた。
ちなみに会話はない。
なぜなら、霜月がカメラを握りっぱなしだからだ。
だけど俺はもう慣れっこで、各々に好きな店を見て回っていた。

「霜月、何か飲まない?」

「私も思ってた。あ、あのお店にしない?」

そうしてフードコートに入れば、昼時とあって人で溢れていた。

「俺飲み物買ってくから、席取っておいてくれる?」

「分かった」

「何飲む?」

「うーん、オレンジジュース」

霜月は案外かわいい飲み物を飲むんだな、なんて思いながら、長い列に並びジュースを二つ買って席を取っていた霜月の元へ歩く。

「お待たせ」

「ありがと。いくらだった?」

「いいよ」

「でも……」

「いいから。男の顔をたててよ」

俺はジュースをテーブルに置き、席に座る。
霜月はありがとう、もう一度言ったあとジュースを飲み始める。

「おいしいね」

「そう。よかった」

霜月は相当喉が乾いていたのか、ジュースを一気に半分飲んでいた。

「あ、私ちょっとお手洗いに行ってくるから、荷物見ててもらっていい?」

「了解。慌てなくていいからね」

霜月が席をたったのを見送って、さて何をして暇を潰そうかと辺りを見渡す。
ふと、霜月のカメラが目に入った。

ほんの出来心だ。今日霜月は何を撮ったのだろうか、俺は何気なくカメラを手に取った。

「……!?」

見るんじゃなかった。心底そう思った。
カメラには俺の姿があった。
気づかなかった。これを霜月はどういう気持ちで撮っていたのだろうか。
それから、なんて可愛いことをするのだろうかと、今さら霜月への気持ちを再認識してしまう。

俺はカメラをもとの場所に置き、そうして何食わぬ顔をして霜月とのデート後半戦に挑むのだ。

そんな彼女とのデートのひとこま。



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穂香さまリクエストです。
赤葦くんで「行かないで」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



170312