カッコイイ

(「からかいの的」続き)


カッコイイ



ある日の放課後、部活にいけば、なぜだか木兎さんがしょぼくれモードに陥っていた。
しょぼくれモード自体は珍しくないが、練習前からこんなに落ち込んでいるのは初めてだ。

「赤葦、あのね」

立ち尽くす俺に、雀田さんが話しかけてくる。

「さっきハーフの子が来てさ」

雀田さんが言うに、木兎さんはハーフのその子にスパイクを誉めてほしかったのに、その子は木兎さんを誉めなかった。
そしてその子はきっと、同じクラスの霜月だ。

「はあ。わかりました。俺が何とかします」

世話の焼ける先輩だ。



翌日俺は、朝の授業前の時間に霜月に話しかけた。

「霜月」

「アカアシ! なんデス?」

「木兎さんのこと、かっこいいって言ってくれないかな」

「カッコイイのはアカアシデス」

霜月はまるでわかっていない。だけどここで引き下がるわけにはいかないのだ。

「そうじゃないとみんなが困るんだよ」

「アカアシが困るのはイヤデス! ワカリマシタ!」

本当にわかっているのかは怪しいが、とりあえず木兎さんのやる気は戻りそうだ。



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千明さまリクエストです。
赤葦くんで「からかいの的」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



170316