よかったな

(「相談する」続き)



よかったな



部活の休憩時間、委員会を終えたらしい霜月が嬉々とした様子で俺に会いに来た。なんでも、疑ってごめん、だそうで。

「私、勇太郎くんが好きだから、だから疑心暗鬼になってたみたい」

「そ、そうか……あ。霜月、ちょっとここで待ってて」

このタイミングで誕生日プレゼントを渡してしまおう。きょとんと固まる霜月をおいて俺は一旦部室に歩き、鞄からプレゼントを取りだし再び体育館に歩く。そして歩いてきた勢いをそのままに、霜月にそのプレゼントを押し付けるように渡す。
あの日、霜月に誤解を与える原因になった、他ならぬこのネックレスを。

「え、な。なに?」

「誕生日プレゼント。早いけど」

「え。プレゼント? 何で今?」

本当に霜月は鈍いというか、変なところで鈍感だ。勘違いも甚だしかったが。

「あれだよ、アクセサリーショップにいた理由、これなんだよな」

「えっ?」

俺の言葉でようやく霜月は理解したらしく、俺の手からプレゼントを受けとると、その包みを開ける。

「ネックレス……え、え?」

「あー、悪い。気に入らなかったか?」

「そ、そんなわけない! すごく嬉しい」

霜月は学校内にいるにも関わらず、そのネックレスを首につけ、俺を見上げて笑って見せた。心底嬉しそうなそれに、苦労した甲斐があったと俺の頬が緩む。

「あ、岩泉さん」

のもつかの間、霜月は委員会で遅れて部活に来た岩泉さんを見つけるや、岩泉さんに手を振り、叫んだ。

「悩み、解決しましたー!」

「おう、よかったな!」

え。待って。
いつの間に霜月は岩泉さんとそんな仲になっていたんだ?
そもそも岩泉さんがあんな風に笑う人だなんて知らなかった。うかうかしていたら岩泉さんに霜月を盗られるのではないだろうか、なんてマイナス思考を払拭すべく、俺は霜月の手をぎゅっと握り自分の方を向かせた。

「俺、"ミオ"が好きだからな!? だから……」

「だから?」

「だ、だから……と、とにかくミオが好きだから、だから余所見なんかするなよな!」

自分でもこんなに独占欲が強いとは知らなかった。



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ゆふさまリクエストです。
金田一くんで「相談する」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



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