知ったとしても

(「届け」続き)



知ったとしても



うちのバレー部はいわゆる強豪校と呼ばれていて、そんなうちの部の部長は県内では有名だった。バレー選手としてもそうだが、イケメンとしても。

「きゃー及川さん!」

放課後の体育館には女の子の黄色い歓声が響く。毎日毎日途切れることなく及川を目当てにうちの高校の、他校の女の子が集まるのだ。まあ確かに、及川は黙っていれはイケメンだけど。

「ナイスキー! マッキー!」

そんな及川への声援に混じって、最近俺への声援が聞こえるようになった。はじめは気まぐれか何かかと思っていたが、それは何度も聞こえた。どうやら俺を応援してくれているのは同一人物らしく、毎日聞こえる声に、俺は興味を持った。

「及川くーん!」

「マッキー頑張れ!」

まただ。
及川への声援に混じった声の主を探す。

「……霜月……?」

声の主は霜月ミオだった。同じ学校だがクラスは違う。でも確か一年の時、一緒のクラスだった覚えがある。

それ以来、俺は霜月の声援に応えるように拳をあげるようになっていた。

霜月が何で俺を応援してくれるのか、思い当たるのは――



「おっ、霜月じゃん」

「あ、マッキー」

「いつも応援サンキュ」

昼休み、たまたまマッキーに出くわした。そしておもむろに頭を撫でられた。マッキーは無自覚なんだろうけど、それは私を動揺させるには十分な行動だ。

「マッキーさ」

「なに?」

「や。なにも」

私の応援に、何で応えてくれるの?
言いかけてやめた。マッキーの笑顔が、友達に向けるようなそれだったからだ。
私の好意は絶対にマッキーに伝わっているはず。それなのに、マッキーはあくまで私に"友達"として接してくる。ずるい人だ。

「今日も応援、行くね!」

今はまだ、友達でいい。でもいつか、振り向かせて見せるから。だから待っててよ、マッキー!



――――――――
ゆふさまリクエストです。
花巻くんで「届け」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



170824