不可逆

(「張り裂ける」続き)


不可逆




一度崩れた関係は、もう戻らない。
あの日、俺の気持ちを知ったミオは、俺から離れていった。

『一緒にいて楽しいけど、成長し合えない』

そう、確かに俺はそう言って、彼女はそれを確かに聞いていた。

「ミオ、あの……」

「……っ、私用事あるから」

「待って……」

以前は立場が逆だった。俺が話しかけられて、ミオを避ける。そう、だけど今は真逆なのだ。
俺は何処かで慢心していた。ミオが俺から離れるはずがないと。
成長し合えないとしても、一緒にいて楽しかったから。だから俺はミオと離れることは考えなかった。
どれだけミオに甘えていたのだろう。

「ミオっ」

反射的にミオの手を掴む。ミオは俺をにらむように見上げる。ねえ、離れないで。

「ごめん、孝支。別れて」

淡々と冷たく吐かれた言葉が俺に刺さる。ああ、苦しい。苦しいよ、ミオ。

「そっ、か。分かったよ」

分かりたくなんかなかった。離したくなんかない。
だけど俺たちの関係はけっして元通りにはならないのだ。俺の軽率な発言は、俺とミオの関係を終わらせた。
もう二度と、もとには戻らない。



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まいさまリクエストです。
菅原くんで「張り裂ける」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!


160420