so sweet!so sweet!
ホワイトデーと言えば、バレンタインにチョコをもらったひとにお返しをする日。
だけど俺にとっては、戦場に行くのと同じくらい、覚悟が要る日。
バレンタインに同じクラスの霜月からチョコをもらった。しかも手作り。
すごく嬉しくて、だからその日から今日に至るまでの一ヶ月、俺は何をお返しにあげようか、ずっと考えていた。
デパートのホワイトデーコーナーにはいろんなお菓子があり、売り場のお姉さんがお菓子の意味を教えてくれた。
「喜んでくれるかな」
期待を込めて選んだのは、ハート型の棒キャンディ。見た目がかわいいし、なんだか霜月が好きそうだと思ったから。
「あ、霜月!」
「五色くん……」
授業前、部活が終わって急いで着替えて教室に行き、霜月に声をかける。
「はい! ホワイトデーのお返し!」
「ありがと」
「ね、開けてみて?」
急かすように言えば、霜月は戸惑いながらも包みを開ける。
「キャンディとテディベア……?」
「ね、かわいいでしょ? 霜月にそっくり!」
「わ、私に?」
キャンディと一緒に熊のストラップも包んでもらった。
ほわほわした表情の熊があまりにも霜月に似ていたから、つい買ってしまったのだ。
霜月は熊のストラップを手に取ると、仄かに笑う。
「ありがとう。嬉しい」
「うん! それからさ、霜月」
それから、霜月。
俺も霜月が大好きだから、だから付き合ってくれませんか?
教室内の雑踏が、一瞬にして凪いだ。
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「
ビターorスイート」と対のお話です。
170310