諦めないこと

(「翔ぶ人」続き)


諦めないこと



バレエの練習に明け暮れていた私に、一人の友人ができた。日向翔陽くん。
彼はバレー部で、一年生なのにレギュラーで、とても明るい男の子だ。

学校生活にはこれと言って不満はなかったけれど、私は内心焦っていた。
習っているバレエで、演目の選考に落ちてしまったのだ。
ずっと練習をしてきただけに、そのショックは大きかった。

「霜月さん、何か悩み?」

「日向くん……うん、あのね。バレエの選考に落ちちゃっさ」

私は肩を落とす。練習、頑張ったんだけどなあ。
今更悔しくて悲しくなって、涙が目にたまるのが分かる。

「それでも、霜月さんは頑張ったんでしょ? 俺だって、中学の時はバレー部員一人だったし、高校に入って影山に負けたけど、それでも辞めずに来たから、今がある」

日向くんの言葉は、まっすぐだ。
他のどんな言葉よりも、励みになる。
いつの間にか涙は消えていて、私はもう一度頑張ろうと心に決めた。



それから数日後、私は別の演目で役をもらうことができた。私の頑張りを、先生が見ていてくれたのだ。
頑張ってよかった。諦めなくてよかった。
誰より早く、日向くんに伝えたいと思った。
私は弾む足取りで、学校への道を歩いた。



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穂香さまリクエストです。
日向くんで「翔ぶ人」続きです。
期待に添えたかわかりませんが精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!

160929