本名:穂波 ─ ほなみ ─ 源氏名:月詠 ─ つくよみ ─

「穂波お姉さんに任せなさぁい」
「里の子たちが幸せになってくれることが、私の幸せよぉ」


■基礎情報
種族:トサキント
特性:ひらいしん
性格:ずぶとい
性別:女
年齢:28歳
身長:156cm

一人称:私
二人称:貴方・貴女

■背景
 異性との関係にだらしなく、そこら中に種をばらまく男に抱かれた母は1回の行為で見事に孕んだ。家庭を持つつもりがない男は母に乱暴をして堕させよう、卵を産んでからは割るなりなんなりしようと手を尽くした。母の抵抗の末、無事に孵化することができたのが穂波である。その経緯を聞いたとき、恋愛と性行為は興じるものであり信頼するものではないと考えた。彩の里で母の手1つ大切に育てられ、当然母のことを愛していた。しかし、父とも呼べない男のせいで母が苦労している姿が辛く、どうして女癖の悪い父が買った恨みを母が嬲られる形で償わなければならないのかと納得できなくて八つ当たりをすることもあった。理解したのは母の死後、父を恨む男たちが穂波に性的乱暴するようになってからのこと。母なりに自分を守ってくれたのだ。男女関係泥沼な環境に身を置いていれば貞操観念も薄くなるものなので、見知らぬ男に嬲られることに心を病ませることはなかったが、痛いし怠いし何より楽しくない。状況改善を考えた末、抵抗しない代わりに優しく甘い言葉を囁いて怒り心頭の男を籠絡するようになった。少女の頃から男心を転がす才能があったのだ。この状況は母を亡くしてからあまり湖から出てこなくなった穂波を心配し、左京と右京が様子を見に来るまでずっと続いていた。穂波の状況がショックで泣く2匹に対しては母の代からのことだし慣れたから大丈夫だと宥めたが、納得してくれず。各地方を旅行することになったと言う2匹に強制連行される形で彩の里を出ることになった。そうして父関連のいざこざから離れることができたのだ。
 左京と右京の3匹で各地方を旅行し、遊び尽くす毎日は楽しく。日々新鮮で数多の経験と雑多な知識を吸収し続けた。しかし、旅行の道中で彩の里が火災に遭っているという知らせを受けて急遽帰郷した。美しかった故郷の面影もない惨状。そして、火災で亡くなった子も多い中で麗月が行方不明なことは最悪な結末を想像してしまう。ショックで長い間塞ぎ込んでいたのだが、左京と右京が里の復興に奮起している姿を見て、2匹のことを手伝うために無理矢理立ち直ることにした。そして、自身を商売道具に春を売るようになった。不特定多数の男に抱かれることには抵抗はなかったが、母からつけてもらった名前を呼ばれることは嫌がった穂波は「月詠」という源氏名を使って夜の街を歩くようにしている。

■特徴
 彩の里の湖で生き、息を引き取った際も湖に亡骸を沈めることを選んだ母。そんな母から受け継いだ数少ないものが水辺での踊りである。月明かりに照らされ、踊る母の姿は息を呑むほど美しく。鳥肌がたち、涙を流した記憶は何年経っても薄れることはない。そんな母を亡くした日から、母の温もりを求めるかのように毎夜人気のない水辺で踊るようになった
 力もなく、学もなく。生きる能力が著しく低いため、誰しもが抱く美に惹かれる本能を誘惑して利用する。自身が抱く美しさという能力を生きる術にする者が一定数存在する。その美しさとは外見のことではなく、かといって内面のことでもない。何がと説明をつけることができず、けれどどうしてもその者の美しさに心を揺さぶられる。ある種の才能というものだろう。その才能をもつ者が高確率で発症させる金魚病を穂波は患っている。皮膚の乾燥や肌トラブルの代わりに生える金魚の鱗皮膚損傷した場合も痂皮の代わりに金魚の鱗が創部を覆う。まるで老いることや醜くくなることを本能が拒絶するように美しく飾り、隠すのだ。一見、美しさを武器にする存在にとって利点ばかりにみえる病だが、この病の恐ろしいところは美しさを保てなくなった時点で必ず絶命するというもの。幸いなことに穂波は金魚病の主症状が現れた頃に志寿と出会い、契約と延命治療を受けることができていること。志寿に出会っていなければ20歳になる頃には命を落としていたことだろう。しかし、延命治療にも限界があり、志寿からは余命2年ほどだと宣告されている。この病を完治させる唯一の手段はポケモンバトルを行って経験値を積み、進化をすることなのだが……進化をすることで姿が変わり、春を売れなくなることを懸念して選べずにいる。

■ポケモンバトル
技構成:アクアリング・くろいきり
    ちょうおんぱ・まもる

■自宅関係
麗月『健気で可愛らしくて自分によく似た弟』
「麗月は世界一可愛い私の弟よぉ。だから誰にも必要にされてないなんて思わないでほしいわぁ」
 母が亡くなった悲しさは左京と右京との旅行で紛れたが、家族がいない寂しさは仲の良いこの双子を見ていると増す一方であった。だからだらしない父が穂波が生まれて以降も種をばらまき続けているであろうと考え、異腹の兄弟を探してみた。穂波が思っていた以上容易く見つけられた弟はマリルリ夫妻の子として育てられており、調べてみると人妻に手を出した挙句孕ませたらしい。しかも最低なことに夫妻の種族と同一だからと言って夫妻の間にできた子どもとして育てさせたらしい。これには本当に呆れた。
 しかし、麗月はとても賢い子であった。母親の態度がどこかよそよそしいことと、妻の不貞に確信を抱いているわけではないが麗月に違和感を覚えて冷たい父親。恐らく自分がこの夫妻の間にできた本当の子どもではないのだろうと勘づいていた。自分は望まれて生まれた存在ではないのだと背を丸めて小さくなっている麗月を放っておけなかった穂波は接触を図り、彩の里に連れ帰って甘やかしすぎだと周りに言われるくらいめいいっぱい可愛がって育てた。火災後、麗月が見つけられず最悪の想定をして塞ぎ込んでいた時期があった分、再会して以降は今まで以上に過保護になっている。

左京右京『ちょっぴり過保護で面倒な親友たち』
 彩の里で1番親しくしている賑やかお騒がせツインズ。お淑やかにしているようで好奇心が強くて気になるものに吸い寄せられるようどこかに行く左京と問題を最短で解決しようととんでもない行動をとる右京。2匹を同時に相手にし、かつ自分も一緒に楽しめる強かな子どもは穂波くらいだと里の者たちに言われていた。何も難しいことではない。本人たちからしたら穂波も3匹とも考え方も気も合って付き合いやすいだけの話だ。
 母が亡くなってからのどうしようもない環境から2匹が助けてくれた。大事な友人からかげがえのない存在とまでなった2匹に辛い思いや悲しい思いをさせたくなく、金魚病のことは黙っている。……本音は春を売っていることを知られた時点で大分叱られて大変な目に遭ったので、これ以上2匹が自分に過保護になる理由を増やしたくないので黙っている。

音色『秘密の共有者』
「秘密を握っているのはお互い様よぉ。……だから音色、このことは皆に言わないでちょうだい」
 穂波が金魚病を患っていること。そして余命が残りわずかであること。知られてしまえば心配されて春を売ることを止められ、進化をすることを口煩く言われるだろうから穂波は誰にも言うつもりはなかった。しかし、金魚病が重病化して倒れた穂波を志寿診療所に運んだのは音色である。だから当然音色だけは穂波が患う病のことを理解している。音色は自分が何を言っても穂波は聞く耳を持たないであろうことを分かっていた。だから穂波が大事にしている麗月や左京と右京に教えて止めさせようと思った。だが、穂波もまた音色が皆に隠している秘密を知っているのだ。
 それは本当に偶然の出来事。音色が里の近くで倒れているのを見つけて連れて帰ったのは穂波である。その際、近くで音色を探す危なそうな男たちの姿も確認していたため、調べておいた。そして音色が極悪非道で知られているマフィア『花籠』の人形であることを知ったのだ。倒れている音色を拾ったのも、そして里に来るまでどこで何をしていたのかを知っていることも言うつもりはなかった。けれど、金魚病のことを皆に言うのならば話は別だと明かした。お互いに誰にも知られたくない秘密を握っているのだと脅す形で音色を口止めしている。

志寿『契約者兼主治医』
「先生は本当に意地悪ねぇ」
 金魚病が重病化して倒れた穂波が運ばれた先が志寿診療所であった。志寿に診断されて初めて金魚病の存在を知ったのだが、その頃にはもう金魚病が進行しており余命短いという状態であった。長生きしたいとまでは言わないが、あの美しい彩の里の姿をもう一度見るまでは死にたくないという気持ちが強かった穂波は志寿になんとかしてほしいと縋った。そして、穂波の長く伸びた髪を代償に寿命を数年延ばしてもらった。傍から見れば髪だけで寿命を延ばしてもらえるのだから安いものだと思われるかもしれないが、穂波の髪は母が亡くなる最期の日まで1日もかかさず愛を込めて梳いてくれた、思い出のつまったものなのだ。だから命と釣り合ったのだろう。加えて、志寿と契約している間はその髪も伸びることはない。美しさを武器にする者が1番美しい姿で在れないという制約が病気の進行を遅らしているのかもしれない。

ALICE+