高校生のホワイトデー
◇
高校生のバレンタインの一ヵ月後。
「おはよう、二人とも」
「…おう」
「…おはようございます」
「なんか、疲れてるね。なにかあったの?」
「大したことじゃあないんだが…少し慣れないことをしたものだから、ちょっとね」
「慣れないこと?」
「ほらよ。受け取りな」
「え、なに?」
「お前、甘いもん好きだったよな」
「うん、好き好き」
「僕たちから一ヵ月前の、バレンタインのお返しということで」
「わー、ありがとう!律儀だねぇ二人とも」
「口に合うか分からないけれど、変なものは入っていないから安心してくれ」
「…んん?ちょっと確認してもいい?」
「なんだ?」
「これ…もしかしてくーじょーとかきょーいんくんが作った…?」
「ああ、そうだぜ」
「…えええ!?」
「うるせえ」
「痛い痛い縮む縮む!頭上からの圧力は卑怯だよくーじょー!」
「承太郎、不良が女生徒を恐喝してるように見えるぞ」
「チッ」
「うう、首痛くなった…。ていうか、さっきかきょーいんくんが言ってた『慣れないこと』って、もしかしてこれのこと?」
「そうなんだ。お菓子作りなんて今までしたことがなかったから。僕も、もちろん承太郎も」
「なのにわざわざ手作りしてくれたんだ…。うわ、なんか勿体なくて食べられないよ」
「それは困るな。なまえさんに食べてもらうために作ったのに」
「いらねぇなら捨てちまえ」
「いらなくない!捨てない返さない腐らせない!」
「なんの三原則だ」
「ね、ね。中、見てもいい?」
「どうぞ」
「…おお、クッキーだ!初めてとは思えないくらい綺麗だよ、これ!」
「それはよかった。実はそれの前に何回か失敗していて、一番うまくいったやつがそれなんだ」
「星型とかもある!かわいい〜」
「海星だぜ」
「え、星じゃないんだ」
「海星だ」
「ヒトデ型…くーじょーってほんとヒトデ好きだね」
「おう」
「ふふふっ、ほんとに嬉しいよ。ありがとう、くーじょー、かきょーいんくん」
「どういたしまして。喜んでもらえたなら光栄だ」
「二度と御免だけどな…」
「えー」
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