結論からするとディオは幸せにできない
◇
ディオと貧民街少女の顛末のようなもの。ディオの独白。
深い深い…海の底。
目を開けども暗闇は変わらず暗闇のまま。
眠りに就いてからいったいどれ程の時間が過ぎているのだろう。
何時間か、何日か。何週間か、何ヶ月か…。
僅かに
身動ぐことができる程度の狭い空間で、足の先、手の先に意識を向ける。
全身が鉛のように重いが、それでも自分の脳が問題なくそれらを認識していることが確認できる。
この肉体が、俺のパーツとなったことが。
…しかし、不思議と感情が波打つことはなかった。
それどころか…ぼんやりと、「これでよかったのか」などと考えている自分がいた。
その考えの中心には、今はどうしているだろうかも分からないなまえが据え置かれている。
一方的に言ったこととは言え、果たされていないあの約束を。
俺は今でも…忘れられずにいるのだ。
もしも俺がジョースター邸に行くことを断っていたら、どうなっていただろう。
…あのお人好しなジョースター郷のことだ。援助だけでも受けることはできていたかもしれない。
そうすれば、なまえを連れ出して少しはマシな環境に移れただろう。
しかし…それをなまえは良しとするだろうか。実際のところ、何の関係もない自分がその恩恵を甘受することはできない、と…真面目なあいつは理由を求めそうなものだ。
それならば、いっそあの出立の時。有無を言わさず攫ってしまえばよかっただろうか。
そもそも、ジョースター郷に最初からなまえも受け入れてはもらえないだろうかと打診してみるべきだったのか。
…いや、その場合、なまえもジョナサンと同じ屋根の下で暮らすことになるのか。
浮かんでは消去される、“もしも”の未来。
散々
顧みることのなかったいくつもの可能性に目を向ける時とは、最早引き返せないところまで来た時だと相場が決まっている。
目を閉じれども暗闇は暗闇のまま。
瞼の裏に焼き付いていたはずのあの姿も、もう見えはしない。
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