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そのせいで蒼の「泊まっていい?」という言葉にすぐに反応できなくて。

「う、ん…?」いきなりどうしたんだろうと首を傾げた俺に対して、「勉強教えるって言ってたと思うんだけど」と眉を寄せた彼の言葉でようやく思い出したのであった。

……自分で頼んだくせに本当に申し訳ないと思う。


「どこがわからなかった?」と向かい側に座った蒼に聞かれて、ここ、と指さすと彼はそこをじっと見つめる。

その顔を見ていて思う。

…誰がどう見ても蒼は格好いいから、きっといつか彼女が出来て離れて行っちゃうんだろうな。


「…だからこれを公式に当てはめると、」

「…んー…」


コーヒー牛乳を飲んで、しばらく教えてもらう。

そうして勉強をし続けて、十分ほどたった時、

……それは、突然だった。


ドクン…ッ、


「(……――――え?)」


急に鼓動が早くなる。
身体の奥から、思わず息を呑むほどの快感が押し寄せてきた。
一気にせりあがってくる"それ"に、身体が震えた。


「……ぁっ?!」


小さく声を上げて焦る。
痛いほど、心臓の音が早くなって。
血液がすべて性器に集中しているみたいにどくどくと熱い。


「…あ゛ぅ…ッ?!」


足が少し動いて床に擦れただけで、その皮膚の刺激が快感になって股間を大きくした。
むくむくと自分の意思とは無関係に勃って、硬くなる。
勃ち上がり、でかくなった性器のせいで押し上げられたズボンがきつい。
それを実感して余計に羞恥したせいで身体が熱くなって、上擦った声が漏れた。


「んぅ…っ、」


やばい。やばいって。本当に。

どうしようと動けば動く程、状況は悪化する。

…素肌に触れる服が、皮膚を伝う汗が、性器に触れる下着の布が。
全身が性感体になったのかと錯覚してしまうくらい、微小の動きによって反応した性器がますます硬くなって痛い。


「…(な、なんで、…いきなり)」


既に腹の奥がずくんと疼いて、何もしてないのに完勃ちしている性器から先走りがどろどろと溢れた。
見なくてもわかるほど尿道口から出ている。

下を見れば、じわっと制服のズボンまでも濡らしていた。
既にイきそうになっている。
体中が虫を這っているような快感に涙目になって、疼く、触ってくれと訴える性器に手を伸ばそうとした瞬間、


「まーくん?だいじょうぶ?」

「…ッ!!」


心配そうな声に、大げさなくらい身体が大きく跳ねる。

その驚いた動きだけで服が肌に擦れて、一気に熱を発しようとした性器を思わずズボンの上から押さえつける。
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