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(…やばい、この刺激だけで出そう)
完全に勃起してる。
というか、普段より硬い。
なんだこれ。どうなってるんだ。
じわじわとさらにズボンの染みが広がった。
「……っ、ぁ、」
(…そうだった。蒼が近くにいるんだ)
だから、だめだ…っ、絶対ダメだって。
こんなところでイくなんて、どうかしてる。
…蒼と、本当に一生懸命真面目に勉強してたのに。
俺だって、別に変なこと考えたわけじゃないのに。
なんで、こんなところで突然発情してるんだ。
もし射精でもしたら変態だと思われて、蒼に軽蔑されてしまう。
焦りと快感で涙目になりながら、ぶんぶんと首を横に振った。
話そうとしても、舌がうまく回らない。
「…っ、なん、れも、ない」
「でも、すごい汗…」
指が俺を気遣うように優しく頬に触れる。
……温度の低い、滑らかで美しい指の感触が、敏感な肌を撫でた。
「…っ、――!!」
その瞬間、びりっと電撃のようなものが身体を駆け抜ける。
まずい、と思う暇もなかった。
気づいた時には、もう遅い。
恐怖と驚きと、矯声。
「…っ、ぁぐ、…ゔ…っ、だ、…――っ、」
快感に体を震わせながら、腰が跳ねる。
蒼の前だというのに、口を閉じようにもそんなことさえできないほど身体が痙攣した。
ピクンッ!ビクッビクッ!
びゅくびゅくっとこんなに出るのかと思うほど、下着の中で跳ねた亀頭の先端から放出された大量の精液がズボンを濡らす。
快楽が全身を満たしたのは一瞬。
下着がべちょべちょになって、すぐに下半身に不快感が走った。
「…っ、は、…ぐ、ぅ…っ、ぅ…っ、」
机に顔から倒れ込み、しばらくびくびくと全身が震える。
口から零れた唾液を飲みこむこともできず射精が終わったというのに全然萎える気配のない性器が、顔に触れる机の刺激でさえ快感に繋がって再び硬度を増していく。
「まーくん、だいじょう…」
「…っ、ぁ゛やめっ、いら、おれに、にゃ、らな…っ、ひぃっ!?、ぅゔ…っ、ま、だ…っ、ぁ゛――ッ」
心配そうな表情で駆け寄ってくる。
必死にやめてと首を振るが、何が起こってるのか俺だってわからないんだから蒼にはもっとわからないだろう。
俺を助け起こそうとしたのか、彼の手が腕に触れた。
「…――っ、ひ…っぅ…っ」
びゅるっ、びちゃびちゃ…
…その、瞬間、
今度はさっきよりももっと多いとめどない量が、今度はズボンではおさまらずに床を汚していった。
まるでお漏らしでもしたかのように床を濡らす音。
「ぁ、ぁあ゛…っ、ごめ…っ、ごめんなさっ、」
なんで、という感情より、俺はなんてことをしちゃったんだという感情の方が大きかった。
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