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…そんな日々が何ケ月も続いたある日のことだった。
…蒼に無理矢理抱かれた。
それまでは閉じ込められてからずっと、蒼に抱かれたことなんてなかった。
風呂だってトイレだって「絶対に逃げない。自分でやる」っていえば、自分一人で入らせてくれた。
蒼も優しくしてくれるし、このままずっと、俺は蒼と一緒にいられる、蒼の傍にいてもいいって思った。
……それなのに、その日は唐突に訪れた。
もう、完全に俺たちの関係は、友達とは違うものになった。
やっぱり俺は素直に受け入れられるわけもなくて。
嫌だ嫌だと抵抗する俺を欲情した瞳で見て無理矢理抱く蒼が、いつもと雰囲気の違う蒼が怖くて、痛くて苦しくて、泣いて、泣いて、泣いて。
泣いてるのは俺のほうのはずなのに、蒼がそんな表情するなんておかしいはずなのに。
俺を自分の意思で無理矢理抱いてるはずの蒼が、助けを求める子どもみたいに酷く泣きそうな顔で苦しそうな顔をしていたのを覚えている。
蒼はいつもそうだ。
無理矢理こういう行為をしているのは蒼のはずなのに、なんでそんな顔をするんだ卑怯だ、と何度思ったことだろう。
それからは毎日のように抱かれるようになった自分が惨めで悔しくて、蒼を嫌いになりそうになった。
一度は逃げて、でも捕まって、結局は鎖までされる羽目になって、何やってるんだろう俺のばかって思った。
…でも。
でも俺はそんなことをされても、それでも、………嬉しかったんだと思う。
誰かに自分を必要としてもらえるということが。
どうしようもなく、嬉しかった。
鎖をされるのだって、俺は蒼に必要とされていたから。
俺の傍にいて欲しいって蒼が思ってくれてたから。
それが伝わってくるから、本当は鎖をされたってどうだってよかった。
本気で嫌だなんて思わなかった。
そうだ。
蒼にとって、俺の存在が必要とされていると感じてたから。
俺はどれだけ嫌だと思っても、どれほど嫌なことをされても。
…蒼を、本当に嫌いになることなんてできなかったんだ。
「…ばいばい」
そう呟いた蒼の声が、耳に残ってる。
忘れることなんてできない。
忘れられるわけがない。
ばいばいなんて嫌だ。嫌だよ。
蒼のばか。ばか。ばか。
どれだけ泣き叫んでも…もう、彼にこの言葉が届くことはないんだろう。
――――――――
嗚呼、目を覚ましたくない。
彼が傍にいないとわかっているのに、どうして目を開く必要があるだろう。
それを知ってしまう前に、自覚してしまう前に。
今、死んでしまえたらいいのに。
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