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手で握られた性器にぬめっとしたあったかいモノが這う。
……何か、濡れた感触が亀頭を圧迫し、包み込んでいる。
頭の痛みで何が起こってるのか把握するのに数秒かかった。

顔を上げて、それを見た瞬間……目を見開いた。
にやりと笑った男と目があう。
直後、狙ったように俺を見上げたまま亀頭を咥えていた唇を離し、その舌先が性器に這わせられた。


「……?!!」


(舐められて、る―っ?)


先端を舌先でチロチロ舐められて、「ぁひ…っ、ぅ、ぁ、」なんて情けない声が出た。下腹部の奥がじわっとして、かぁっと頬が熱くなる。亀頭の形が崩れるほど舌の腹でべろべろされる。


「やめろ…っ、やめ…ッ」

「ふなおにはりはよー」


こんな状況でも感じてしまう自分が嫌いだ。屈辱でぽろぽろ涙が出てきて、咥えている男を蹴ろうと足を持ち上げれば、裏筋を舐められて震え、力がうまく入らなくなってしまう。

……それでも、何をされるかわからないこの状況でじっとしていられるわけもなく。

脚を閉じようとすると、睾丸を揉まれながら喉の奥まで咥えられて性器をしゃぶられる。
だめだとわかっているのに…唾液でどろどろしている狭い空間に亀頭の先端が入り込んでいて、ぬるぬるとしたその感触が気持ちよくてたまらない。



「ん…っ、ぢゅうう…ッ」

「…ぁ…っ、――やあ゙あっ! はう、あ゙っぁあ゛あああっ、」 


音を立てて、吸われる。
脳天を突き破るような快感に、みっともない声をおさえられない。
性器を包み込む、柔らかい弾力のある肉の感触。口の中の粘膜に惜しげもなく擦られる。
激しいその動きに腰が震えて、じゅぶじゅぶと聞こえる厭らしい音に恥ずかしくて死にたくなった。

……気持ち、いい。

中途半端に曲げている膝が震える。
そんな風に感じる自分が悲しくて、悔しくて、涙がボロボロ零れる。


「あはーびくびくしてる。んん…っ」

「ぁひい…っ、それ、やめっ、ぁ゛ああぅ゛…っ」


やばい。
尿道口を舌の先でぐりぐりやられ、こみ上げる射精感にふるふると首を振る。

同時にお尻の穴のナカに指を差し込まれ、狭い空間をかき回すようにグチュグチュと抜き差しされた。
つもそうやってしてくる蒼の指の感触とも違う、知らない男の骨ばった指の腹が肚の粘膜を擦ってネチョネチョ音を鳴らすというおぞましい感覚に耐えられない。

なのに、こういうことに慣れているような動作で性器と肚の中の両方を散々弄られて、腰がびくつく。襲ってくる快感に目の前がぼやける。


嫌だ…っ。

イきたくない。
こんなに嫌なのに。
ここでイったら、気持ちいいと感じていることを認めているようなものだ。
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