堕ちた家畜(??ver)

***


ちょろい。
正直言って、本当にこの家畜はよく教育されている。


……俺じゃなくて、一之瀬蒼に、だけど。


まぁ、だからこそこうやって他のヤツに調教されやすいんだがな。


「…ッ、ぃ…あ゛あ゛ああ――、ぁひ…っひぃ…っ!!!」

「痛いか?可哀想だが、これはお前の願いだから叶えてやらねぇと」


俺もこんなことしたくないんだけど仕方ねぇし、と自分でもわざとらしいほどの棒読み。

躊躇なく、手に注射器を持ってアナルプラグを後孔にぶっさされている家畜のちんぽにプツリと針を刺して注入していった。


「や、…っ、やだ、やだやだ…っ、…や…ぁ゛…っ、」

「嫌じゃねーよ。わがまま言うな」


この前薬の量を倍以上にして打ったせいで、ちんぽが勃起しすぎて血が出ちまってたけど、何もかもわからなくさせるにはこの方法が一番手っ取り早い。


注入した直後、家畜は洪水のような涎を口の端から垂らして、身体を大きく痙攣させた。

ちんぽがみるみる間にムクムクと硬く勃起して、何もしてないのにビクンビクンと打ち上げられた魚みたいに震えている。

やっぱりまだ前の薬の分も残ってるのか、破裂しそうな程でかくなったちんぽから少し血が出ている。


「可哀想になぁ、本当に好きなヤツに裏切られるってどんな気持ちなんだろうな?」

「…ッ、ぃ…っひぃいい…ッ!!は…!ぁっ!」


ビクン、ビクン、と精液を吐き出すこともなく震える性器。

無造作に手でぐちゅぐちゅと扱ってやれば、よだれを出して淫らに喜んでいる。

性器に触れたせいで手にべっとりとついた血を見て、コイツそろそろやばいか、なんて不安はない。
死んだらそこまでだったってことだ。
気に入ってはいるが、所詮コイツは遊び道具に過ぎない。


一度目隠しは外してやったけど、もう何も見たくないと、もう何も視界に入れたくないと、

あの暗闇の方がマシだと目を抉る勢いで瞼の上に置いた指に力を入れようとするから、

何度も目隠しを巻き直してやった。本当、ペットの癖に御主人様に手間をかけさせやがる。



「家畜の癖に」

「…っ、ぁ゛…っ、ぁああ…っ、は…っ」

「んー?御主人様の指で自分だけ気持ちよくなってんじゃねえよ」

「…っ、ひ、やぁ゛ぁッ…、ぁあ…っ!」


更に激しく性器を扱く指を動かしてやると、泣き叫びながらまた全身を大きく震わせた。
涙と唾液まみれの顔。


「……」

「…ん、…っ、」


その下品な声をあげてばかりの唇を塞ぐ。
舌を絡めると溢れんばかりの唾液に眉を寄せた。


コイツは暗闇にトラウマっぽいのがあるらしく、目隠しをした当初は過呼吸になったり、泣きさけんだりしてたが、今はもう暗闇に怯えているような気配はない。


(余程、一之瀬蒼に捨てられたョックの方が大きかったか)


快感からか、悲しみからか、コイツはずっと泣いている。

見捨てられた動物みたいに、見捨てられた子供みたいに。


それは俺がどれだけ殴っても、蹴っても、それがなくなった直後でも、変わらずに涙を流して続けていた。


俺が帰ろうとすれば「おねが…っします…おねがい…します…っ」と自分に罰を与えてくれと何度も訴えてきた。


唇を噛み締めて、涙を流して、まるで悲しさを全部頭を壊すことで、快感を求めることで忘れようとしているようだった。


(あーあ、誰かに依存しねぇといきていけない人間ってのは面倒だな)


親に暴力を振るわれてても、自分を見てくれてる限り、放置されない限り、自分はとても幸せです。だから、その幸せを奪わないでください。と本当にその言葉通りの表情で、児童相談施設でそう言っただけのことはある。


コイツは、元々誰かに何されても自分を放っておかれるよりはマシと…そう思うタイプだったらしいが。


その性格は、一之瀬蒼のような存在に出会うことによってさらに拍車がかかった。

絶対に傍にいると約束して、一之瀬蒼も言葉通り他の人間とは話さず、常に柊真冬を優先する。

そして挙句に果てには、一年間、柊真冬と一之瀬蒼だけの世界を作り上げた。

その状況は自分の存在意義を求める柊真冬からしたら、天国のようなものだっただろう。
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