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そうして、その後のあの人の身体がどうなったかは知らされずに、ただ薬漬けにされて椿に玩具のように弄ばれる毎日。恋人でもないのにそういう行為をして、利用されるだけの時間が延々と続く。
(…昔と、同じ)
そして、それは俺が屋敷に連れてきたまーくんにしていた…ことでもあって、
…自分がされて嫌だと思ったことを、どうしてしたんだろう。
大切にしたかったのに。ただ、傍にいてほしかっただけだったのに。
「…(…もう今更考えたって遅いんだけど)」
そんな日々が続けば当然、心は何も感じなくなっていった。
ずっと昔の”あの人”の人形だった時間に戻ったような錯覚に襲われる。
肉体がある感覚も、生きてる実感もない。
身体がこの場所にあるだけ。
でも、日々与えられる痛みだけが…それだけがかろうじで意識を保たせていた。
「あー…マジうぜえな」
「……」
「あのガキと他の人間で何が違うんだよ。理解出来ねー」
バシャ…ッ!
完全に瞳の色も失くし、声も出さなくなった俺に、上から水が被せられる。
触られたり、殴られたり、刺されたり、セックスさせられたり。
椿相手に勃つわけがなくて、無理矢理注射で勃起させられて行為だけを繰り返す。
もう、まーくん以外と触れ合うことが気持ち悪いと思う感情さえ残っていなかった。
色んな女と…いや、男とだってそういうことを散々させられて…してきたんだし、何をあんなに嫌がっていたのかと不思議に思うくらいに。
そんな風に自分に直接起こっていることでさえも、全てをスクリーン越しに見ているような、鈍い意識で、遠い世界に変わっていく。
椿もそんな俺に苛々しているようで、流れる血の量も確実に増えていた。
「…っ、は…ッ、」
ぐるぐると世界が回転しているような気分の悪さ。
視界がぼやける。
血が流れ出ていったせいでさっきまであんなに熱かったはずなのに、段々寒気がしてきた。
息を吐くのさえも辛い。
だから、
もうそろそろやばくなってきたし、
…死んでもいいかなって、思っていた。
のに。
「…真冬くんは、蒼に会いに来たんだよ」
「…は?」
心臓が、止まるかと思った。
理解、できなかった。
呼吸をするのも忘れて、息を呑んだまま唖然とする。
…言われた言葉の意味がわからない。
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