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意識しなくても、表情筋が緩んでにやけた。
おれに会いたくて、…そっか。そっか。えへへ、嬉しい。



「愛は正義!」

「…まぁ、そんなところかな」

「おれへの愛?」

「うん。まーくんへの愛」

「流石くーくん!」

「はは、なんでそうなるの」


膝枕をした状態で一緒に笑う。
…最初に会った時よりもずっと、彼のその笑顔が警戒していないような、緊張していないようなそんな感じでもっと嬉しくなる。

適当な歌を口ずさみつつ髪を撫でていると、「音痴」と文句を言われて、「む」と眉を寄せた。
そして、気づいた彼の変化に首を傾げる。



「くーくん…目がトロンとしてる」

「…凄い…ねむ、くなってきた…」


珍しいほど、凄く子どもっぽい表情で舌足らずになっているくーくんの声。
か、かわ、かわ可愛い…!!

あれかな。無理して抜け出してきたせいだろうか。
…本当に、疲れている感じがする。



「一緒に、寝よ」

「…え、…って、わ!!」



腰に回された腕と膝にのっている上半身によって、そのまま腹部に頭突きをする感じで後ろにおれの身体を倒そうと体重をかけてくる。
こっちに圧し掛かるようにして被さってくるくーくんの身体ごと、一緒に倒れて床に背中がついた。
…天井が、真上に見えた。


上から退いたくーくんの、「ちょっと頭浮かせて」という声に従って少しだけ頭をあげると、その下に入ってくる腕。
その腕が曲げられて、ゴロンと横を向かされる。



「…っ、」

「…やっぱり、こっちの方が落ち着くな」



至近距離で、微かに零される笑みにドキ、と心臓が跳ねた。

う、腕枕、…!!

そんな感じで頭の下から回された右手に、髪の毛を梳くように頭を撫でられる。


「まーくんの匂い…落ち着く…」

「ぎゃ!!今、なんか、ふにゃって、」

「…おやすみ、まーくん」


そうして右手にもっと近くまで頭を抱き寄せられて、頭に触れた柔らかい感触に心臓とか色々なところがもたない。


「…っ、お、おやすみ、なさい」


さっきまでとは違う大人っぽい雰囲気がギャップあり過ぎなんだってば、もう!



「………」

「………もう寝てる……」



普段では見られない、くーくんのあどけない寝顔。その額に唇で触れてみる。

「へへ、やっちった」と一人で頬を熱くしながら、一緒に眠りに堕ちた。
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