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栄養と体力がない時にあれだけイッたのが問題だったのか、次の日に熱が出た。

相変わらずくーくんは凄い心配性で、うまく動けないおれの身体をお風呂にいれてくれたり、拭いてくれたり、トイレに行かせてくれたり、と沢山看病してくれた。

勝手に風邪をひいたのはおれで、くーくんは何も悪くないのに、…しかもただでさえ彼は左腕を動かせないのに迷惑をかけている。


…そのことがどうしようもなく申し訳なくて、情けなくて、だけどおれには寝ることしかできなくて、


そして、不意に…目が覚めた。
部屋の暗さから見て、…


(…夜…かな…?)



「…っ、ぃ、」


…あたま、いたい。
熱く痛む頭に、思わず顔を顰めた。

お布団で寝ていると、おぼろげな意識のなか、…誰かと話してる声が聞こえてくる。



「……くーく…?誰と、お話し…して…る、の?」

「…何でもないよ」


無意識に手探りで彼を探して、その服の裾を掴む。
「……?」何故かビクリと震えたような感触が手から伝わってきた。


でも、頭を撫でてくれる手に、ふ、と吐息が零れて、身体から力が抜ける。
ついさっき拭いてくれた身体にはもう既に汗が滲んでいて、ぐったりだった。



「…すごく、ねむ、い…」



まだ眠らないで、もっとたくさん彼と一緒にいたいのに。


「おやすみ、まーくん」と囁く優しい声に、「…ん…」と頷いて瞼を閉じた。
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