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まーくんを危険な目にあわせないためにどうするのが一番良いか。
どう、動くべきか。
そう考えている間に、何かの匂いが鼻につく。


「…(この匂い…)」


香水のような、甘ったるい香り。
これはまーくんの匂いじゃない、何か別の…。


「……」


(もしかして、)

覚えのあるその香りに、血の気が引く。
まるで頭から冷水を浴びせられたかのような錯覚に陥る。
スクリーンを通して世界を見ているような、自分が自分じゃなくなっていく感覚。



「―――――」


「……ん、……」と小さく呻きながら目を開ける仕草に、無意識に口角が上がった。



「おはよう」

「…ぅ…?あお…い?」


まだ寝ぼけているのか、眠そうに目を瞬かせる様子に笑みを零す。


「……(……色々、ご褒美をあげないとな)」


そのご褒美がまーくんにとっての”ゴホウビ”とは限らないけど。

受け取ってくれたら、きっと逃げようなんて思わなくなる。
俺以外必要ないんだって、わかってくれる。
眠そうな顔で俺を見あげるまーくんに、自然に頬が緩んだ。


……俺がいないと生きていけないくらい、俺を求めて。


胴のあたりを抱くように引き寄せて、祈るように唇を重ねた。


――――――――――

綺麗なものほど、自分の手で汚したくなる。
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