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余程心配してくれたらしい。
更にぎゅうと強く抱きしめられて、呼吸が苦しくなる。


「蒼…っ、苦しい…」

「…ごめん」


訴えるようにその背中を軽く叩くと、圧迫がなくなって肺に入ってくる空気にほっと胸をなで下ろした。
抱きかかえられて、ベッドの上に戻してくれる。


「ありが、…ん!?」


蒼を見ようと顔を上げた瞬間、顎を掴まれて唇を塞がれた。
目の前で瞼を閉じている綺麗な顔に、瞬きもできずに一瞬硬直する。


「ぁ…っ、ふ…っ」


角度を変えて貪るようなキスに、眩暈がする。
蒼のキスはいつも、いきなりが多くて、その度に呼吸困難になりそうになる。

服を震える手でぎゅっと掴んで、時々微かに入ってくる空気を必死に吸った。

ゆっくりと離れていった唇に、酸素不足で若干視界が歪みそうになるのを感じながらその身体にもたれかかると、ふ、と吐息が漏らされたのが分かった。


「……嗚呼、やっぱり駄目だ」


余裕のなさそうな、熱っぽい声が耳元で囁く。

何が、と問うように見上げて、視界に入ったものに目を見張った。

ゾク—―ッ、

その頬についている赤いモノが何か分かって、震える。
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