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そうだ。
これは、おれのためにひつようなことなんだ。
「そう。君のため」
理解の良い子どもの反応に、満足そうに笑む顔。
持ち上げられた両脚をせんせいの腰辺りに抱き付くようにして回された。
さっきおれがせんせいのずぼんをおろしたから、その硬く反り立った感触が剥き出しにされた股間やお尻の孔にモロにぐりぐりと押し付けられた。
「…っ、ぁ…」
(…ちが、う…)
汗ばんだ指が、違う。
肌の感触が、温度が、違う。?
咄嗟に身を引く。
…と、尻を掴まれ、逃げられなくなった。
ぐぐ…、その昂りを孔に埋めるために腰を押しつけてくる。
くちゅ、と濡れた感触が孔にちょっとずつ入ってきて、
「…っ、ひ、」
「そうやって避けようとしたら、この治療の意味がなくなるって言っただろう?」
「…、ち、りょう…」
「…――そう。治すことで、君の大事な”彼”のためにもなるんだ」
「っ、…うん…」
「彼のためなら、頑張れる?」
「…うん」
なんだか瞼が熱くなってきて、へにゃ、と笑ってみる。
(そういえば、さいきんこんなつなぎ方をだれかとしたっけ…)
その時と同じことをしているはずなのに、全然…違う。
…逆らわないといけないのに。
…振り払わなければいけないのに。
それが、できない。
(どうして…)
「……く………け、て」
唇から零れる、小さな祈り。
それは、本当に届いて欲しい人には届くことはなくて。
違う人の指に、手を握られる。
「…っ、ぁ、あ…」
…だって、ただ、おれは を、 まってて、
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