6
空き教室に響く、自分のソコから出る卑猥な音。
目に溜っていた涙がぽろぽろと頬に零れた。
俺だって。
俺だって、こんなに嫌だと思ってるのに。
好きでこんな声出してるわけじゃない。
好きで感じてるわけじゃないのに。
自分の意思とは無関係に与えられる凄まじい快感に先走りがどんどん蒼の手を濡らしていく。
…こんなの誰かに見られたら俺も合意の上でヤッてるようなものだと、自分が望んでこんな状況になっているのだと誤解されても仕方がない。
そう思うと悲しくて、余計に涙が溢れる。
「ぅ、ぅゔ、…っ、ぐぅ、…っ、も゛、…う、や…っ、だ…っ、ぁゔっ」
陰嚢を優しく手の平で転がすように揉まれ、根元から亀頭まで精液を外に出すような動きで搾られ扱かれる。
下腹部は小さく痙攣して、骨盤全部を痺れさせるような気持ち良さに泣いた。
奥にある熱が大きくなっていっているのを嫌でも痛感させられる。
こんなところで、こんな酷いやり方をされて…学校でイくなんて、嫌だ。
絡めとられながら舌の先をちゅうと甘噛みされて、背中が僅かに仰け反って震える。
ここは、学校で。
今だって外からは生徒の声が沢山聞こえてくるのに。
誰がが廊下を通りかかって、見られちゃうかもしれないのに。
あの時抱きしめ合ったのとは、わけが違う。
――こんなの、友達同士のやることじゃない。
呼吸の合間に唇が離れて唾液が零れる。
「ぁ、…っ」
「いいの?今誰か来て困るのは、俺じゃなくてまーくんの方だと思うけど」
離れた瞬間を狙って声を出そうとすれば、耳元に唇を近づけた蒼に低くそう囁かれる。
「…っ、ぁ、ゔ、ゔ…っ、」示すように軽く上下に動かされ、…下に視線を向ければ、蒼の手に握られてどろどろに蕩けている俺の性器があった。
卑猥なほど反応している自分の性器から目を逸らす。
「…――っ」
助けを求めて開けようとした口を、ぎゅっと閉じる。
……そうだ。
ドアは閉じられているけど、
…今声を出して、見つかって困るのは…蒼より
むしろ
「…(――俺、の方)」
こんな姿を見られて皆に引かれるのは、軽蔑されるのは、俺なんだ。
蒼の制服はどこも乱れてない。
それに比べて、俺は、股を開いたまま股間をグチャグチャにされて喘いでて、
……そう思ったら目の前が真っ暗になりそうな感覚になる。
絶望して血の気が引く。
抵抗しようとしていた身体から力が抜け、支えられなくて後ろの壁にもたれかかった。
「…あおい」
震える唇を動かし、その名前を呼ぶ。
…その声に蒼が動きを止めた。
「…蒼は…俺が嫌だって言っても、やめて、くれないの…?」
蒼から顔を背けて、力のない声でそう小さく呟いた。
涙が零れる。
前の時のように泣きじゃくる元気さえもなくて、ただすごく心が悲しみに満ちていた。
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