暗闇の中で 1

………

…………………



「ひ…っ、ぁ゛ぁああッ、あひっ」

「許してほしい?」

「やだ…っ、やだぁ…ッ、たすけれ…ッ」

「あはは。すごいヤラシイ顔してるよ、まーくん。AVみたい」



見えない。目の前が真っ暗で何も見えない。
怖い。
身体を動かすと、ガチャンガチャンと耳障りな音が鳴った。


「う…っ、ふ…ッ」


もう汗か涙かわからない液体が頬を伝う。
口からこぼれ出る唾液がみっともなく顎から下に落ちた。

少し離れた場所でそこに座っているだろう蒼に縋るように顔を向けると。
ふ、と笑いを含んだ声が聞こえる。



「ちょっと振動上げてみよっか。」

「――ァあ゛、ぁぁ、ぁあ゛…!!!!!っ」



ナカで緩く振動していたソレが、ブブブと強く振動する。
ひたすら玩具で弄られつづけたせいで、狭く軽く湿っていただけだったはずの後孔は既にとろとろになって蕩けきっていた。
ベッドのせいで尻がシーツに擦れて、身体を揺らす振動が余計に強く身体に響く。
それと同時に、何度目かさえわからない程の射精。

お腹の上は既に反り返っている性器から出たおしっこか精液か色んなものでびしょびしょに濡れていた。


「あぁっ、はぁ……っ、あぁっ……ふぅ、んっ」


最早、気持ちいいのか気持ち悪いのかも、もうわからない。


あの日…手首から伸びる鎖を左右別々にベッドに括り付けられ、後孔には何かぼこぼことしたものがついているバイブを入れられた。

透明な涎を垂らし続けている性器は思い出したかのように時折ぐちゅぐちゅ扱かれる。

そして、今はハチマキのような黒い布が視界を覆われていて何も見えなかった。

何日たったんだろう。
もう何か月もたったような気がする。
風呂だけは気絶した後にいつの間にか入れられていて、起きたらいつもすでにこの状態になっていた。

なんで。なんで。こんなことになったんだ。


「ひぁ、あっ……あぁ、っはぁ、っ…ッ、」



何回も手枷を外そうとしたせいで、手首を擦ったらしい。
鈍い痛みに、顔をしかめた。


「血、出てる」

「…――ッ、ぁ゛あっ、」


痛い。

手首を優しく持ち上げられて、生暖かい何か湿ったものが手首をなぞる。
それが、舌だと気づいた瞬間、反射的に手首を引こうとして、余計に手枷が傷跡に擦れて激痛が走った。


「後で、ちゃんと消毒しておいてあげるから」


よしよしと頭を撫でられて、眼球が熱くなって、ぼろぼろと涙が溢れる。
ずっと昔に蒼が、俺を慰めるために頭を撫でてくれたことがあった。

その時の情景が一瞬だけ脳裏を掠めて、酷く悲しくなった。


「まーくん、今日は新しいオモチャを持ってきたんだけど」


その言葉に反射的にびくりと肩が震えて、ぶんぶんと首を振った。


「…やだ…ッ、もう嫌だぁ…っ」


聞いてくれるわけないってことくらい、もうわかっている。
でも、それでも、なんて思ってしまうのは、俺が馬鹿だからなのかもしれない。



「やるのは初めてだから、ちょっと痛いかも」

「…―――ッ?!!!あぁア゛…――っ」


尿道に何か細いものが入ってくる。
ぬるりと先端が湿っているそれは、くるくると回転しながら奥に進んでいく。

内壁がその刺激にビクビクと痙攣してヒクつく。
嫌だと心は叫んでいるのに、押し出そうとする肉壁の抵抗を物ともせずに強引に異物が挿入される。

怖い。痛い。怖い。
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