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手で持って見て、それに見惚れる。
「でも、本当に貰ってもいいの?なんか俺の買ったものより高そうなんだけど」
申し訳ないというか、そもそも俺がネックレスをあげたのには庭のお礼も含まれてて、これを貰ったらまた何か返さないといけないというか、俺ばっかり貰っていることになってしまう。
「うん。まーくんにあげたかっただけだから」
「それに、思ってるほど高くないよ」と本当か嘘か分からないような言葉を零して、俺の首にマフラーを巻きなおしてくれる。
「蒼、ありがとう。大事にする」
ぎゅっとそれを握って笑いながら蒼を見上げると、うんと頷いて彼は微笑んだ。
彼は首にさげていた、俺のあげたネックレスをマフラーの上に出した。
「俺も、一生大事にするよ」
「あ、つけてくれたんだ」
上から注ぐ太陽の光がそのリングにあたって光っている。
やっぱり、蒼の上品な雰囲気にその青色のリングはとてもよく似合っていた。
「まーくんに見せようと思って、今日の朝だけすることにしたんだ。明日からは、絶対に失くさないように金庫で厳重に管理しておく」
「お、おお。金庫…」
さらりとそう言い放って微笑む蒼に、金庫とは大げさなと思いつつ、でもそのくらい大切にしてくれることは嬉しい。
「それに学校ではネックレスつけるの禁止ってことになってるから、没収されないようにちゃんと箱に入れておかないとな」という蒼の言葉に、「あ、」と思い出した。
そうだった。学校で、アクセサリーの類は禁止だったんだ。
そのことを残念に思いながら、学校に着きそうになった時にそれを蒼がくれた箱に入れることにした。
(…嬉しい)
(またひとつ、大切なものが増えた)
本当に大切にしよう、そう心に決めて笑顔を浮かべた。
――――――
何も知らずに笑っていた。
すぐ後ろから俺を狙っている誰かがいることにも気づかずに。
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