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「…嗚呼、もう」

「んぅ…ッ、あふッ…」

「なんでそんなに俺を煽るの」


困ったような、でも欲情した時の上擦った色気のある蒼の低く掠れた声音。
俺だって、煽りたくてこんなことをしてるわけじゃない。



こんなの一方的に遊ばれてるだけじゃないか。
俺の意思じゃなくて、蒼に、蒼の持ってきた玩具に、いいようにされてるだけだ。
そんなの、俺の望んだことじゃないし、それが蒼の興奮材料にもなるわけがない。

手足を縛られ、首輪もつけられ、目隠しもされて、ただ玩具で弄ばれる。

それをやめてほしくて、ただ普通に日常を過ごすだけで許してくれと訴えたくて、服をにぎっただけだ。

…それがどうして蒼を煽ってるってことになるのか。

でも、その言葉は口から出ない。
唇が震える。


「まーくん」


そう嬉しそうに俺の名を呼ぶ蒼に、もう何も考えられなくなって。


「…ッ、」


その絡めた指に力を入れて思いきり引き寄せた。


「…ぁっ、」


それと同時に、彼の驚いた声が聞こえた。
見えない視界でその服を引っ張って手繰り寄せ。

本能に導かれるまま、見えない蒼の背に腕を回そうとして――。



「さっきも言ったけど、だめ」


やんわりと手を掴まれて引き離される。
拒まれたことに多少のショックを受けた。
なんで。


…――なんで。


「――ッ、やだ…っ、やだ…ッ」


まるでお菓子を買ってくれなくて駄々をこねてる子供みたいに首を振る。
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