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腰の括れた部分を手に抱かれていて動けない。

頬に添えられた手に寄せられ、…瞼を軽く伏せた整った顔が近づく。
吐息とともに唇を塞がれ、舐めるように粘膜が絡む。


「…っ、は、ぅ…っ、ぁ、…っ、」

「今みたいに簡単に舌絡められちゃうかもしれないのに」


「こんなに簡単にキスされるなんて無防備すぎる」と困ったような表情を浮かべ、俺の精液で濡れた指が頬を撫でる。

ところまでで、もう限界だった。
だめだって、これ以上自分からいっちゃだめだって、理性を保たないとって、そんな気持ちは一瞬で消えた。

自分からその首に腕を回し、唇を押し付ける。


「…っ、ん、」

(…キス、もっと、ちゅー、した、い…)

前されたやつを真似しようと思って、舌を出して犬みたいにぺろぺろ舐める。
薄く嬉しそうに微笑んだ蒼が口を開けて迎え入れてくれる。

けど、おれが主導でしてるせいか、受け入れるばかりでやり返してはくれない。

たどたどしくなってしまうキスに満足できず、思うようにいかない。
柔らかい感触を擦りつけ、自分が慣れないせいかうまくできない口づけに小さい子どもみたいに泣く。

息も触れそうなほどの距離で見つめ合い、下では亀頭を撫でまわす手に身を震わせた。
「俺の話聞いてるの?」と問われる声に、勿論聴いてない。そんなことよりキスしたい。もっといっぱい気持ちいいことしたい。

胸の突起を摘まれてこりこりされ、下では握られて丁寧に撫でられているソコを、今度は爪で優しく引っかかれた。


「こういうこと、されてたらどうするつもりだった?」

「ぁ、ぁぅ、ゔ、…っ、」

「…相手を無意識に誘惑するのが上手いんだから、もっと気をつ」


『気をつけて』と続けたかったのかもしれないけど、唇で塞いだから声は消えた。代わりにくちゅ、と絡み合う舌で頭がいっぱいになる。唾液を交換して飲んで零してもっと沢山する。

蒼がなんの話をしているのか全然わからない。


「可愛いからもうだめ」


離されたからもう一回キスしようとしたら、何故かそんな意味のわからない理由で止められた。
勿論納得できるわけがない。


「それより、『一緒に寝よう』なんて誘って、もし襲われたらどうするつもりだったの?」

「ひぁ…ッ、ぁ゛、は、ぐ…っ、」


首筋に触れる吐息。
そこに吸い付かれながら乳首に爪を突きたてられて、皮膚に食い込む。
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