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ぶわっとさらに噴き出た汗が肌を伝っている。荒い呼吸で、必死に言葉を絞り出す。
「ず、き…っ、あお゛…っ、ぃ゛、の゛っ、ほ、ぅが、すぎ…っら゛、がら゛…ッ」
止むことがないほど連続して身体に電流が走るような脳を溶かす快感に、考える暇もなく口からその言葉が出ていた。
答えるときでさえ、その刺激はやまない。それどころか、亀頭に奥を叩かれる速度は余裕がなさそうに勢いを増して、結合部が更に大きい粘稠音を響かせる。肚肉自体が生物の様に切なげに相手の動きに合わせて吸い付き締めつけて扱く。
「だれより?」
「あお゛ぃ、…っぅ、ゔ、!の゛、ごと、が、ぁ…っ、じゅん、すげ、より゛…っ、すき…だ…っ!!」
「………俺も、まーくんのことが好きだよ」
言わされただけの言葉なのに、蒼はやわらかく笑みを零したように、ひどく嬉しそうな声で答える。
その瞬間。尿道に入っていた棒が抜かれて、それを待ち望んでいたかのように解放された精液が飛び出た。同時に律動が叫ぶほど速くなり、ラストスパートに向けて股間が激しくぶつかり合う。
「っ、ぅん゛ゔぅ、ゔうぁああ゛、んぐっ、んん゛――…!?!!」
唇によって塞がれた口からは声が出ない。うねり、痙攣した肚はナカの性器に強烈に食らいつき、吸い上げる。
「…っ、」堪えるような声とともに、びゅるっ、ビューっと脈打ち、注がれた飛沫が奥を満たす。
お互いに小さく痙攣したまま震え、下半身に残る甘い怠さに浸る。乱れた息は次第に比較的まともになり、びくびくと身体だけが取り残されて跳ね続けた。
「ふ…っ、ぁ…ッ」
「…っ、」
舌が差し込まれて、その冷たいソレは俺の舌を探りあてた。
くちゅ、クチュ…とねっとりと絡みあわせられれば段々焦がれ、切なく甘い感覚が身を犯す。イったばかりで力が入らない。震え、まだ余韻で痙攣しながらキスを受け入れた。音を立てながら唾液を吸い上げられる。息ができなくなるほど貪られ、最後にちゅう…と吸うと離れていった。
そのまだ残る吐息を求めるように無意識に彼の存在を追いかけてしまう。
…キスだけで、脳が蕩けるほど気持ち良すぎてまた身体が大きく震えてイってしまった。
ずるっと性器を抜かれた直後、ごぽ…と溢れる白濁液を零さないように栓代わりにバイブを肚の奥に埋められた。肚の中の液体が押し戻される感覚に甘い息を漏らし、身震いする。
「…ん゛…っ、ぅ、う…っ、」
もっと、シてほしい。気持ちよくしてほしい。……声が耳元で低く囁く。
「好きだから、壊してあげる」
その言葉の意味が、理解できない。
「ちょっとずつ、まーくんが自覚できないくらい……ちょっとずつ壊して、俺がいないと息もできないくらい、不安定にさせてあげる」
耳には届いているのに、頭には入ってこない。
「…―まーくんには、俺だけでいい」
「それ以外なんて、必要ない」重く呟いたその声で、彼はどんな表情をしているのだろう。軽く額に口づけをされて、くしゃりと頭を撫でられる。
「あと五時間、頑張って」
いつも通りの蒼の声。
―――――
俺が壊れることで、これ以上誰も苦しまないなら
……もういっそのこと、それが一番いいんじゃないかと、そう思った。
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