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舌も手も駆使してジュボジュボ卑猥な音を鳴らして性器を扱く。
次第に堪えるような声が頭の遥か上で零れ、同時に喉の奥にびゅくっと吐き出される熱い精液。

飲みこみ切れない多い精子の量に、げほっと軽く噎せていれば、身体を倒されて性器同士が触れる。


「ぁ、ぅ、ゔ、う…っ、」


大きさの全然違う二本の性器を擦り合わせることで更に先走りを増やし、グチャグチャと音を立てて蕩ける。

裏筋がヌルヌル擦れて震える熱い息を吐いた。
部屋は熱気に包まれ、快楽を我慢し抑える声が時折僅かに零れる。

蒼の手が俺のとろとろになっている亀頭を自分のとぶつけあうようにして扱いてくる。
お互いの先走りや亀頭同士も竿の側面も、カリ首も裏筋も全部グチグチ押し付けて擦りながら手も使って扱いて、堪らずに俺も軽く身を起こして無我夢中になって口づけをしながら腰を振り、本能のままに快感を貪った。


(……気持ち良すぎて、何も考えられない)


腹筋を痙攣させ、震え、荒い息を吐きながら射精して、呼吸もおぼつかないままに二人の出した体液が混ざって泡立つほど性器を扱かれて扱いて擦って絡めて、汗ばんだ手を重ねて、触れて、

…………なのに、心だけは永遠に繋がれない。

幼い感覚だった頃より理性が働いて口にするのは躊躇われる。
けど、零れ落ちてくる泣きたいほどの欲求。

ひく、ひくと疼きうねる内部。
けど、その渇きを取り除いてくれるものはない。

「最後までしない」の言葉通り、彼はそれ以上触れてこようとしない。




「……………もう、嫌だ…」



手で肩を押し、顔を伏せる。
ぽた、ぽたと頬に伝った涙が顎から畳に落ち、唇を結ぶ。


「こういうこと……したくない…」

「……なんで?」


手の甲でとめどなく溢れる涙を拭い、顔を背ける。


「だって、……もうすぐ、…け、っこんする、から」

「でも知った後も、まーくんは受け入れてた」

「…っ、それ、に、」


『好き』だから、好き好きで仕方がなくて、……たまらないから、もうしたくない。

こうやって行為を繰り返すたびに、いつかまた好きになってくれるんじゃないかって思って、期待してしまう。
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