新しい使用人(倉杜ver)


***


僕は、夢にも思っていなかった。

たった一度の選択を、生涯幾度となく悔いることになるということを。


「倉杜宗太(くらもり そうた)と申します。今日から働かせていただきます。よろしくお願いします」


あの屋敷で働くということの、その本当の意味を知らずに足を踏み入れてしまうことが、

どれほど愚鈍で、致命的な間違いだったのかを


………身を以て 思い知らされることになるということを。
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