痛みだけでも分け合って
ギンの斬魄刀に貫かれた私の体は、内臓まで損傷しており、思いの外状態が悪かったため、双極での応急処置後、4番隊の救護詰所北側にある特別管理施設に収容された。
外からの接触は元より、4番隊員でも限られた者しか病室には入ることができない上に、病室さえも明かされないという徹底ぶりで、24時間監視下に置かれていた。
そこでの治療を行われた後、意識が戻った私は、数週間の入院生活の後卯ノ花隊長の許可が下りたため、通常の病室に移された。
その時にはすでに歩けるようにはなっていたし、すぐにでも現世に帰るつもりだったけど、流石に卯ノ花隊長からOKは出ず数日は入院生活送っていた。
そして現在は、空鶴さんちにお世話になっているのだ。
まぁ、タダで済ませてくれはずもなく、日々雑用に追われる毎日なのだが。
「常盤」
「なんです?」
「今日の夕飯は賑やかになるぞ!」
「え?」
「3人増える!」
「…へ?」
増える?
厨房で、夕食の準備をしていた私たちに、空鶴さんは自信満々に胸を張った。
「誰かお客さんが来るんでるか?」
「おう!
一護とルキアと織姫だ。」
「そうですか。」
一旦手を止めて、空鶴さんを見ると、それはそれはいい笑顔でにっこりと笑っていた。
「了解しました!空鶴殿」
両側で敬礼した金彦と銀彦は、再び仕事に戻って行くが、私はぼんやりと手元のすり鉢に視線を落とした。
「あいつら、明日現世に帰っちまうらしーぜ。
お前はどうすんだ?あいつらと一緒に帰んのか?」
テーブルにあったお新香をつまみながら空鶴さんは言う。その目からは、どうやら逃げられそうになくて、深呼吸をした後に彼女の目をみたおう。
「向き合ってから進むっているのも、悪くないと思うんです。」
「…おう。」
「だから、もう少しこっちにいようと思います。」
「あぁ。
お前が納得出来るまで、ここに置いてやるから、家のことは心配すんな。」
「…ありがとう、ございます。」
おう。そう笑った空鶴さんに私の気持ちは決まった。
私には、ちゃんとみていてくれる人がいるから、少し傷ついたってへこんだって、平気。
だから、当たって砕けてみよう。
どうせ、一回だけの人生なんだから。