20××年冬
珍しく関東に雪が降った。
おかげで道路は大渋滞。電車も運転見合わせが多発する。
そんな中に帰宅ラッシュに重なれば、帰宅困難者が駅やその周辺に溢れかえる。
それは、あの災害を思わせるような光景だ。
ファーストフード店の2階で、イヤホンから流れる曲を聞き流しつつ、コーヒー片手にスマホを眺める。
久しぶりの休みに大雪とは、なんと刺激的なのだろうか。
そろそろ春だからと、街に出てみればこのザマだ。おかげでパンツの裾はびしょ濡れだし、体は冷え切ってしまう始末。
目の前の空には再び白い雪が舞い始めていた、そして眼下の交差点は、いつの間にか傘をさす人が増え始めていた。
その中に、楽しそうに話す制服を着た女子高生2人。こんな寒いのに、素足に短めの靴下。これは最近の流行りらしいが、私にはどうも理解ができない。
傘もささずに、空を見上げて笑っている。
そんな彼女たちを眺めながら、冷めてしまったコーヒーを胃に流し込んだ。
女子高生なんて、もうだいぶ昔になってしまった。大学を卒業して2年、高校を卒業してもう6年だ。
あの頃に戻りたい、とは思わないけどあの時の選択が違っていたら、今どんな自分がいのだろうかと、時々思うことがある。
大学は国立の教育学部を卒業し、地元の中学校に就職した私は、子供たちのパワーに押されながら教師として働いたいる。
理想と現実は違うというけれど、就職して社会に入って、そして今まさにその通りだと実感していた。
もし、あの頃に戻れるのなら、もう一度だけチャンスがあったのなら、あの時の選択を変えられるのなら……なんて、今更この歳になって無い物ねだりに、非現実的なことまで考えて、相当やられているらしい、私の頭は。
だけど、今でもそう思ってしまうのは、あの時の後悔を今でも引きずっているからだろう。
さぁ、今日はもう帰って寝よう。
明日は仕事だ。