これの別バージョン

オプティマスが提案したトランスフォーマーと人類の和平協定の一環であるパートナーシップという制度、この事についてメガトロンは酷く苛立ちを感じていた
そもそも人間に好意的な者もいれば反対の者も存在するのは当然でディセプティコンは大半が人間などという愚かな下等生物を対等などと思えなかった、勿論例外もいるのは分かってはいるがそれでも互いの首を締めるような行為をあのメガトロンが簡単に返事するわけもない。だがそれは人類も同じでパートナーシップという制度を設けるがオプティマスならまだしもメガトロンともなれば誰もが目を背け聞かないふりをした
企画として承認された上にリーダー2人には必ず。と念を押されていたレノックスは溜息をこぼして名簿の名前を2重線で消していった

「それで私に?」

漆黒ともいえそうなほど濃いコーヒーを口に含む目の前の女にレノックスは疲れきった顔をしていた
メガトロンとのパートナーシップを。と提案した途端大抵の人間はまだ死ぬ気は無いと答えを出した為目の前の彼女も断るだろうと判断したがマグから口を離した彼女は少しだけ考え事をしたあと答えを出した

「研究費がなぁ、最近足りないんですよねぇ」
「・・・上層部に掛け合うが期待しないでくれ
「言われてた武器とか装備作れないんですよねぇ」
「ちゃんと説得する」
「メガトロンとパートナーなんて多分誰もやりたがらないですよねぇ」
「わかったわかった、必ず予算を回す」
「今の3割増で結構ですからね」

全く交渉が上手いもんだなと彼は感服しながら目の前の書類にサインを求めた、彼女は白衣の胸ポケットに刺していたボールペンを取りだして簡単にサインをして「楽しみにしています」と返事した
契約書の同意書の中身も見ないのかと呟くも興味はない。の一点張りで終えたあたり彼女とメガトロンは少し似てるかもしれないと感じるのだった。


「こんにちはメガトロン」

全くトライアルに来た猫のようだとアイリスは明らかに不機嫌を装う彼を見て思った、アイリスはNESTのトランスフォーマー達専門の研究者でありラチェットやジョルトまた科学者ともいえるスタースクリーム等と共に日々武器の防具の製造やら彼らの技術を日々研究していた
その為彼も少なからずはアイリスを知ってはいる、さほど頭の悪い生き物では無いことを

「それでここが私たちの家ってわけだね」
「そうだ、だが決して俺にパートナーだからといっておかしな真似をするな・・・その時はどうなるかわかっているだろう」
「ええ勿論、私たちは他人としてここでルームシェアをするだけOK?」
「物分りがいいところはお前の美徳だ」
「あら褒められた?」

思わず笑ってそういう彼女を強く睨みつけたメガトロンに彼女は両手を上にあげて降参だと示した

パートナーシップとはよくいったものでもう片方のチーム、オプティマスとそのパートナーは随分と上手くいっているらしい。なんならオプティマスから誘いにかけたらしく話好きのジャズに聞いたところオプティマスはずっとその子が気になっていたのだとかなんだか甘酸っぱいなと思わず笑みがこぼれてしまいながら新作を彼に手渡して今日も試作品テストをしてもらう

「随分と仲がよかったな」
「知らなかった?私は愛想がいい方なの」

メガトロンがそう話しかけてきたことにアイリスは少しだけ驚きを隠せず自身の夕飯であるレトルト麺にお湯を注いだ「いい加減まともな食事にしろ」と小言を言う彼にそれならあなたが作ればいいでしょと言い合うくらいにまでは2人の仲はそれなりに出来上がっていた
彼女の言葉にふん、と鼻を鳴らしたメガトロンにまぁそんなことはするはずがないなと考えて3分で出来上がるレトルト麺をシンクの前で立ちながら食べればまた小言が飛んでくる

「行儀が悪いぞ」と


「あれからどうだ?上手くやれてるのか」
「こんにちは大佐、上手くやれてるか?あぁ・・・日記もどきのデータを残してるからみる?」

そう言われたレノックスは不思議に感じつつも研究者だからデータを大事にするもんな。と考えながら二つ返事でデータパットを渡してもらう
ふと彼女がランチに食べているものがいつもの棒状の栄養調整食品ではなく、彩り豊かな彼女サイズのランチボックスになっていることに気付きながらそれについて指摘する前に手にしたデータパッドに目を通す

1日目
今日から和平協定の一環でパートナーシップがはじまった
なんと相手はあのディセプティコンリーダーのメガトロンだ、うまくいくといい

7日目
生活に慣れてきた、会話もそこそこするようになり無駄に大きなベッドだからいい加減寝てみたら?と提案すると案外乗ってきた
どうやら柔らかなそのベッドはお気に召したらしい、金属生命体が寝ても壊れない強度になっているがこれは私が作ったと言えば彼は素直に褒めてくれた

14日目
最近研究が忙しい、キューとラチェットに付き合ってもらってるが明らかに睡眠不足が続いているけどもうすぐ完成するからダメだと思っていたらメガトロンが珍しく研究室に来て私を拉致した
いい作品を作るにはいい生活を送れという、私は彼の腕の中で寝てたらしく目を覚ましたらベッドの中で彼に抱かれていた

28日目
人間のパートナーは作らないのかと言われた、生憎私は偏屈者で人間とのコミュニケーション能力が低いので出来ないしその為人間用の研究室ではなく君たちの研究チームに配属してもらっている旨を伝えた、彼は満足そうに「それがいい、お前は人間には勿体ない・・・いや、俺以外にはか」といった

31日目
珍しく彼に外に誘われたので申請書を出して2人きりで出掛けた、もちろん日中にこんなものが飛んでたら言われるので夜だけだ
彼は私を乗せて星を見に連れていってくれた、彼の手に抱き上げられて宇宙の話をされたいつか私もいけるかな?と言えば「お前が望むなら何処までも連れて行ってやろう」といわれた

41日目
2人とも休みなので部屋でテレビを見ていたら結婚式特集が流れた、メガトロンはじっと見たあとに「人間はこんなものをしたがるのか」といわれた、私は結婚願望が強くないけれど女の人はウエディングドレスを着たがるし指輪を貰えると幸せだろうね。と言ったらそうか・・・と返事をして黙り込んでしまった、お気に召さなかったのだろうか。

レノックスは一通り流し見したあと目の前の女をみた
彼女はランチボックスの中身を全て空にして「読みました?」というのだが、衝撃的なものを読んだと言葉が出なくなった
確かに近頃メガトロンは丸くなったとみんなが噂した、特にアイリスの名前を出せば素直に聞くことも多くなにか特別なことがあったんだと喜んだがおなじ性別の彼は理解していた

「と、ところで弁当なんて珍しいな」
「あぁそうなんです、20日目くらいから彼が作ってくれるようになりまして」

あのメガトロンが?と驚きに目を向いてしまいそうになる
オプティマスも確かパートナーの世話をしているとはいっていたがあそこは相手のことと彼の性格もあるため納得出来たがあのメガトロンが??だ

「いつまでソイツと話しているつもりだ」
「あぁメグスごめんね、お昼ご馳走様美味しかったよ」
「当然だ、お前が食いたがっていたから態々タンドリーチキンの仕入れをしたんだからな」
「お店も顔負けだったね、明日は中華がいいな」
「春巻きでも入れてやろう」
「いいね、最高」

目の前で行われるやり取りにレノックスは目を見開いて驚きつつも2人が上手くやっていることに安堵した、ふとメガトロンの視線がレノックスに降り注がれたと思えば彼はアイリスには分からないようにまるで睨みつけるように鋭い目付きをしたようにみえた
邪魔者は退散するように彼は背中に嫌な汗をかきながらデータパッドを返して早々にその場を去っていった

一日の業務を終えるとき入口に立つ銀色の影にアイリスは気付いたもののもう少しと業務を続けようとするのはいつからが出来なくなった
ラチェット達に彼が怒るからという理由で背中を押され強制的に追い出されてしまうのは気に入らないが悪い気持ちというわけでもない、仕方なく白衣を脱いで研究室から出ればパートナーは忙しなく指を叩いていた

「2分遅れだ時間を守れ」
「ごめん、やり残したことがあったから」
「明日にすればいいだろう、急ぎの案件は無いはずだ」
「お前のそのひたむきに真っ直ぐなところはいい部分だが、パートナーとの時間を大切にしろ」

彼の手の中で考える、近頃メガトロンは本当に変わったと生活を補助してくれることやパートナーを気にかけることでさえ驚くことではあるが助かるものだった

「早く手を洗って待ってろ、すぐに飯ができる」

しかしリビングに置かれた結婚雑誌に口角が引き攣る、近頃テレビはえらく結婚の話ばかりが流れる上にメガトロンはそれをあまり悪く思わず眺めていた、挙句の果てにアイリスの手を取り「小さいな」といったがそれはただ彼女が人間であるからだと思いたいとおもった
この行動が始まって早18日が経過している、そろそろこちらから問いかけるべきかと食事をしていた彼女は向かいに座るメガトロンをみた

「パートナーシップを解約したいの?」
「なに」

彼の表情が揺れた、驚いたようなその顔にアイリスは難しそうな気まずそうな表情を浮かべる
彼のココ最近の行動から読み取るにいいパートナーを見つけた・・・ということはないだろうからアイリスにいいパートナーを見つけて身を固めて出て行けということなのだろうと察したのだ
だがしかしそれの答えは当然真反対であり向かいに座っていたメガトロンは苛立ちを隠さぬように深紅のオプティックに炎を宿したように光らせた

「貴様は俺と契約を取り辞めたいのか」
「落ち着いてよ」
「はっきり答えろ、回答次第ではどうなるかは知らんがな」
「そりゃあ契約は続けたいけど出ていけって感じだし」
「どこが、誰がだ」
「最近のメガトロンの行動を見てたら」

アイリスは困ったような顔をして自身の考えを彼にぶつけた、近頃結婚についてえらく勧められることや彼がみていること、そして少なからずアイリスは結婚適齢期とやらを過ぎてしまっている為周りからそんな話をされ慣れている
エイリアンとはいえ地球の文化を知るメガトロンは案外世話焼きでもあるため周りの人達のように自身を急かしているのではないかと、だがしかしアイリスは彼との生活を誰よりも楽しく快適に過ごしているし彼以上のパートナーはいないと思っていた為そんなことは考えられない

「ってことなんだけど・・・メガトロン?」

彼女の言葉にメガトロンは呆然とした、あんなに普段から人々に恐れられるような存在のそんな姿に少なからず驚いて居れば彼は深い排気音を口から零した、それまで騒がしかった彼の機体の回路は音を落ち着けていく為ようやく感情の抑制が出来てくれたのかと胸を撫で下ろす

「俺と契約ではなく結婚をしろという意味で置いてたんだがな、貴様がそこまで頭の硬いやつだと思わなかったぞ」
「ん?それって」
「そのままの意味だ、わからないか」

食事をひとしきり食べ終えたアイリスは自身の横に並んだメガトロンを見上げれば彼は呆れたようなどこか嬉しそうな顔をしていた
彼の言葉を咀嚼して少ししてから彼の言葉の意味を理解したアイリスは酷く驚いた顔をして動揺するがそんなことも気にせず答えを知っていると言わんばかり彼に腕を捕まれそっと金属の顔が近付いた

「新しい契約だ、いいだろう」

式場は考えているからな。と彼がそう零してアイリスの唇を塞いだ時目を白黒にさせた
けれど彼女はその口付けを受けながら内心彼ならばいいかも、いや彼しかもういないと断言できた、色気のない食後のキス受けながら契約書の更新について考えた


「本気かよ」
「この間両親の挨拶も終わらせたからあとはここに書いてもらうだけなんでお願いしますね」
「いやまぁ法律的には適用されないんだがいいのか」
「まぁでもこれがこの国のルールですから」

珍しい来客の話にレノックスは口角をひくつかせて苦笑いをした、目の前にいる異種族の夫婦はそれはもう仲睦まじく話をしていたので彼はそれ以上何も言わずに婚姻届の証人欄にサインをした
そして2枚目には特別休暇申請書があり"結婚式のため"と書かれていた為メガトロンの顔を見れば「日本でする予定だ」といわれ言いたいことはあるが黙って承認の判子を押した
そして三枚目には1番初めに渡した契約書であった、トランスフォーマーパートナーシップ計画 と記載されたそれははじめの頃よりも皺がついていた

「これは返却します、今日この場でパートナーシップは終わりますからね」
「・・・そうだな」
「貴様らに言われてした計画だが悪くはなかったぞ」
「お褒め預かり光栄だよメガトロン」
「因みに部屋はあのまま借りれます?勿論メガトロンの部屋だしいいですよね」

ちゃっかりしてる嫁だなとメガトロンをみたレノックス、彼はどうだと言わんばかりの顔をしており小さく笑った

「上層部には伝えておく」

なんせここで拒否してディセプティコンとNESTいちと言えよう科学者に反乱されれば下手すれば人類が滅ぶ可能性もあるからだ
出ていった2人をみて彼はもう片方のパートナーシップはいい加減進まないのかと思いながら今回の件があったのだから少しはアドバイスをしてやるかと既婚者なりの先輩風を吹かせるのだった。







暁・Lügner・あみ様へ
TF再熱リクエスト企画に御参加くださりまたいつも作品を拝見下さり誠にありがとうございます
メッセージにて実写司令官のパートナーシップを気に入ってくださったようでしたのでメガ様バージョンでお送り致しました。
こちらの作品もお気に召してくださると嬉しく思います
暁・Lügner・あみ様のみお持ち帰り可能です


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