せなゆず
2019.11.17
「全く…、レッスン室で寝てなかっただけいいけど」
一つ、溜息を零してから音をたてないように椅子を引き、その隣に座る。
「ゆず、起きなよ」
声を掛けたが、幸せそうな寝顔に変化はなし。人差し指で頬を突くと程よく柔らかい。なんともまぁ、気の抜けた無防備な寝顔だこと。見つけたのが自分だから良かったものの。
「しょうがないお姫さまだねぇ…」
誘ったのに寝ているゆずが悪いんだからね、そう心の中で呟く。
頬に流れてかかる髪を指で掻き分ける。そのままゆっくりと距離を縮め、頬へ口付けを落とした。