みんなとどうでも良い話をして待っていたが中々来ない柳君。レギュラー陣で来ていないのは彼だけだ。今日は記録のつけかたを教えるって柳君が昨日言ったのに、もしかして休みなのかな。
「ねえ柳君ってお休みなの?」
「いや来てるぜ」
「委員会が長引いてるんじゃないかな」
「ふーん」
「さ、僕たちはそろそろアップ始めるよ」
ぞろぞろ出て行く姿に、いってらーと声をかける。じゃあ私も来るまではそっちで参加を、とはならなかった。冷房の効いてる部屋最高!
ドリンクは作ったし備品チェックは昨日したばかりだし、なにしたら良いかわからない。さっきのネタを詰めていこう、妄想モードに入っているといつの間にか寝てしまっていたらしい。
カシャッ
大きな機械音で目がさめた。
「うおっ!なんか夢見てた!」
「よだれが出ている」
「んえ〜テイッシュどこ」
いつの間にか来たらしい柳君、私が寝ている間に着替えたらしくすでにジャージだった。もうこのまま寝ていたい、帰りたいと思っていると机にグミを置かれた。クマのやつ。
「あ、これ美味しいよね」
「内緒だぞ」
食べ物くれる人に悪い人はいない!優しいな〜お小遣い少ないから中々買えないんだよね。うきうきと袋を開けて口にする。独特の弾力が癖になるんだけど、柳君ってグミ食べるんだ。またもや顔にでていたのか珍しく笑った。
「近所の人がくれたんだ」
「なるほど」
「今日も頑張れるか?」
「おー!元気でた!」
グミをつまみながら基本的な書き方を教わっていく。書いていく順番や見るところや専門用語。これで選手の癖や調子がわかるらしい。ライバル校の選手もこうやって分析していくらしい。ある程度教えてもらったところで実際やらないと身につかないから練習しようと部室を出る。ドアを開けると一気にむわっとした空気が入ってきた。
「今日はランダムで試合をする」
「いつものは?」
「あれは打ち合い、フォームの確認とかを中心にやってるだけだ」
てっきり毎日試合してるのかと思っていた。じゃあ試合見るの初めてだ、というか私ルール知らないことに気がついた。
「ルールも見ながら覚えた方がはやい」
「は〜い」
覚えることだらけでもう頭がパンクしそう。容量そんなにない。と、思う暇もなく、今のはアウトだから相手の得点書き方はこう。と説明もメモも止まらない。なんで?と聞く暇もない。あ、私これ苦手だわ動いてるほうがマシだわ。そう思ったが言う暇もなかった。
「やっと、終わった……」
試合していた彼らよりも疲れきっている自信がある。これまでにないくらい疲れた。今すぐにでも横になりたい。へとへとになっていると恐ろしい言葉が聞こえてきた。
「まだ前半戦だよ」
「ひえええええええ本気かよおおおおお」
「さすがに無理か」
「やれます……ジャッカルが」
「俺かよ!」
目の前にいたからつい名前を出してしまった。そしたらジャッカルよろしくね、って言われててごめんってなった。そうか幸村君には冗談は通じないのか。ジャッカルとばっちりじゃん。と思ったんだけど、結局柳君が全部やってた。すごいなー自分も試合してるのに、って見てたらすごい失礼なことを言われた。
「ここまで粘るとは思わなかった」
「どういうことだ」
「後は俺がやる」
「よしきた交代!」
元々データをとるのは好きだし書くことも苦ではない、と今後も柳君がやることになった。それに今までも彼が担当していたらしい。なんで私にやらせたのよ。
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