誰にとは言わずとも、解っているだろう。斎竹は一乃紀に微笑みかけた。一乃紀は渋い顔をしているものの、それに逆らうつもりはないらしい。あれだけざわついていた全身の血流が、すうっと落ち着きを取り戻していく。
「……知ってたの?」
「勿論。だからこそ百日紅様にいらして頂きましたから。如何にして彼女の術を対処したのかも、大方予想が付いています。……よく今まで耐えてこれましたね。正直言いますと、死んでいないのがおかしいくらいです」
まあ、少しでも死にたいだとか、消えたいだとか、そんなことが頭に過ぎっていたら死んでいただろうな、と波由流は思う。感情を増幅させるとは、そういうことだ。母を守るため、約束を果たすため、第一に死んではならないと胸に刻んでいたから、変な気を起こさなかっただけに過ぎない。気を紛らわせてくれる友達が常に傍に居てくれたのも大きいのだろう。
「――――藤様や焔様のお考えは承知した。だとしても。私にも、私の正義を認めてくださっている神がいる」
ふいに、一乃紀がゆっくりと口を開いた。彼女は縁結びをしている。それは転じて、神に気に入られているということだ。依然として姿は見えないから、青藍のように姿を消す能力が備わっているか、憑依することで力を発揮する神なのかもしれない。
「私の考えは変わらない。私が変わっては、傷に耐え忍んで真っ当に生きてきた民衆の思いはどうなる?カンナガラとして、それが正しい決断であると、本気で思っているのか。理解出来ない」
一乃紀は心底そう感じているようだった。苦虫を噛み潰したような顔で、憎々しげな眼差しで、こちらを射殺さんばかりに睨めつけている。
きっと何処まで行ったって、一乃紀と波由流が解り合える日は来ないのだろう。だから波由流は、ゆっくりと一呼吸置いて、そっか、とひとつ頷いた。無理に一乃紀の思想を捻じ曲げたい訳でもないのだ。きっと、彼女のような思想に救われた人だって何処かにいるのだろうし。
――――思えば、風雅に色々と酷いことを言ってしまった。彼は一乃紀に似て、カミツキを酷く嫌悪していたから。まともに彼等の視点に沿った思考をしたのは、今回が初めてだったのだ。
酷い話だ。知ろうともしないくせに、とかどうとか言っといて、おれが一番、風雅のことを知ろうとしていなかった。
百日紅の啜り泣く声は、術が解けていくのと同時に収まっていった。薬だけが残った脳味噌がやけに冷えている。
「……ともあれ、千鳥さんの覚悟は伝わりました。しかしカンナガラには、網代さんのようにカミツキに対して強い敵意を抱く人や、神すらも、往々にしていらっしゃいます。その先は茨の道ですよ」
「大丈夫。応援してくれる人も此処には沢山居るよ。だから戻ってこれたんだ」
「そうですか。そこまで言うのであれば、仕方ないです。私が責任を持ちましょう。元より貴方がやらかしたことは私が処理する決まりになっていましたから」
とはいえ最初に話した通り、神々が波由流に味方している時点で、彼の好きなようにさせて良いのではないかなあと斎竹自身は思っている。見限られたらそれまでということで。
しかし、さすがにそこまでざっくばらんとした処理は一乃紀のような人間が見過ごせないし、そもそもカンナガラは組織だ。全くの野放しにする訳にもいかない。斎竹はとっておきの秘密を話すかのように、にっこりと微笑んだ。
「千鳥さん。ここでひとつ、提案があるのですが」
「言っとくけど、おれ
「えっ」
すかさず釘を差した波由流に、斎竹の笑みが強張った。
ずっと不可解だったのだ。大勢居る職員の中から、何故斎竹が選ばれたのか。
適当な人選などではない。何せ襲撃の後処理で、そこらじゅうが上を下への大騒ぎなのである。余計な人員を割くのは避けたいだろうし、全く関係ない人間を動かすのも渋られる。波由流のような末端も末端のアルバイターにいちいちかかずらっていられる暇は無いのだ。
末端だからこそ、丸めてぽいっと除籍でもすれば良いのでは――――それも正解とは言えない。斎竹も言うように、波由流にはざっと見ただけでも三柱の神が味方に付いているのだ。焔などは普段から友達だと公言しているくらいなので、後のことを考えるとそこまで踏み切るのは少々ためらわれたのだろう。
さてそうなると、考えられる可能性はかなり絞られる。
「簡単な話だよね。血縁者に責任を丸投げしたんだ。父方の血筋……観世家の関係者は、千茅さんしか残ってない。でも、千茅さんがおれに協力してるのはとっくに知られてる筈だ。だったら取れる選択肢はひとつだけ。千鳥家の本家筋……青桐家に、全部片付けさせる。それが一番コストが掛からない」
斎竹の背後に視線を投げかける。
それまで一言も発していなかった職員――――この場に集められた人間の最後の一人が、すうっと目を細めた。
「だよね。青桐さん」
「――――お見事」
青桐の代わりに、斎竹が肯定を返した。
「此方にいらっしゃるのは、我等が青桐家の当主様です。私は、まあ、従者のようなものと思って頂ければ。以後お見知りおきを。ちなみに何時から気付いていましたか?」
「確信したのは、斎竹さんがお母さんの実家との約束を把握してる素振りを見せた時かな。本来なら挟むべき確認とかすっ飛ばして人を寄越すって答えたでしょ。あれが一番の後押しだったよ」
何かと此方の事情を把握しすぎている雰囲気だったりとか、一乃紀ならばもっと突っつきそうな部分に軒並み無反応だったりとか、不自然な点はいくつもあった。
なるほど聡明なことで、と満足そうに頷いた斎竹は、かと思えば疲労を全面に押し出して、やれやれと肩をすくめてみせた。
「にしたって、酷いですよねえー。千鳥家はとっくに家系図から消してあるんですよ?ええ、貴方のご両親が駆け落ちした際にね。出来ることなら我々だって素知らぬ振りをしていたかったです。全くもう」
「それは、まあ。おれのせいでごめんね。お疲れ様です」
「いえいえ、お気になさらず。それにねえ、これ、チャンスでもある訳でして」
斎竹は朗らかに手を降って、それから温和な笑みを象っていた唇を、うっすらと横に広げていった。ある種、薄ら寒いものへ。
「何故って、青桐家は浄化を得意とする家系だからですよ。貴方の目、そう、その観世の目です。聞くところ、貴方の目は特別、不吉なものを感知しやすいそうじゃないですか。それがあれば業務上、とーっても便利なんですよねえ」
斎竹の目が鳥のようにきろきろと光っている。獲物を見定める、捕食者の目。成程、最初から狙っていた訳だ。
「ならないってば。派遣なら受け付けなくもないけど」
「はは。貴方に拒否権があるとお思いで?そうでなくても貴方の立場、相当危険ですよ。今の内に後ろ盾を得ておいた方が良いと思いますけど」
――――腹癒せに、食い潰しにしてやろうってか。ああいいよ、受けて立つ。
もう今更、怯むことなどない。どころか睨み返してやった。
ついでに、この数日間で色んな思惑に振り回されたお陰で、いい加減ちょっと鬱憤が溜まっていた。八つ当たり返しである。
「あのさあ。おれが何の為にこの外套羽織ってきたと思ってんの?」
青藍と揃いの装飾が施された、白い外套。これはかつて、父のために仕立てられた正装らしい。もっぱらカンナガラ全体に対する印象操作の為に羽織らされたが、もうひとつ、何かあった時のための保険の役割を担っている。
「で、はいこれ。何だと思う?」
相手側に余計な口を出される前に、間髪入れず数枚の紙の束を投げ出した。
紙の上に並んだ文字の大きさはてんでバラバラだし、ミミズがのたうったような筆跡のものがほとんどだったが、一覧表のように並べようとした努力の跡が垣間見える。
「署名か?名前以外何も書いていないようだが……いや、これは」
「気付いた?これ全部、おれの両親と交流があった神様の名前だよ」
「まっ、はあ!?見せて下さい!!」
斎竹は慌てて紙を引き寄せると、何度も机上と顔の間で署名を往復させては、必死にインクをこすったりした。それが何だか滑稽だったので、波由流はちょっぴり意地悪く笑ってみせた。
「知っているお名前がいくつか……いえ、ところどころ字は変えているようですが……」
「神様の名前だからね。変に扱って厄介なものを生み出したら大変だから、意図的に何箇所かわざと間違えてもらってます。あ、念のため目の前で処分するって約束もしてるから、見終わったら返してね」
「……神降ろしもしていらっしゃらないのに、どうやってこれだけ書かせたんですか?」
「八十神は霊力が込められたものだとか、実態のないものには接触出来るんでしょ?紙は霊符と同じ素材で、ペンは専用の陣を刻み込んで、インクはそのまま神力を流し込んだんだって。だからそれ、霊力が見える人にしか見えないサインなんだ。それでも結構大変だったみたいだけど、偽物だなんて言われてもたまんないしね」
それらを用意してくれたのは、千茅の留守を預かっていた、嘉六という少年だ。お世話になっている人の大切な人だから、と言って協力してくれたらしい。彼自身の霊能力もフル稼働して、数日掛けて集めてきたというのだ。頭が上がらないとはこのことである。
「お母さんが言うには、個人の事情や信条とかでカンナガラには所属しないけど、何かあったら力になるって言ってくれた神様が居たんだって。という訳でこの度、喜んで協力に応じてもらいました」
この紙自体には公的な力は一切無い。名前以外何も書いていないのだから当然だ。それでも、こうしてカンナガラを相手に脅すには充分な力を発揮してくれる。
――――しかしこの署名、実はただのハッタリなのだ。
彼等が応じてくれた協力の内容とは、紙に名前を書くこと、それそのものである。他には一切何も頼んでいない。
波由流がカンナガラを裏切ったとしても、彼等が手を貸すことはほとんどないだろう。あくまで波由流の両親に恩を返そうとしただけなのだから。なんなら署名という行為そのものを面白がって書いてくれただけの神も中には混ざっている。
だが、そんな裏事情を相手は知らない。百日紅が見ていようと、感情を読み取るだけでその真意を測れるものなんてそう多くないのだ。
波由流に掛けられた術は既に解けている。些細な感情の揺らぎならそれなりに誤魔化しが効くし、ちょっと意地悪してやろうくらいの悪意は今更隠さずとも問題無いだろう。
嘘を吐かずに相手を騙す方法なんていくらでもある。精々、ありもしない脅威を必死こいて計算すればいい。
「カミツキに頼るのも面白そうだよね。咬術の札だけ貰ってさ、新しい神降ろしの術を作れないか研究するんだ。麻之葉さん、そういうの得意みたいだし」
「いや、それは早計だろう。仮にこれだけの神が敵に回ったとして、その術を開発するまでの間、咬術を使って対抗する為の、人間が、足りない……」
一乃紀がはっと顔を上げる。
視線の先は、白い外套。観世の正装だ。
「……っ観世を利用するつもりか!!」
観世家が何故カンナガラから名前を消したのか。当然というべきか、一乃紀は既に調べ上げてあった。血族が死に絶えた訳ではない。奇妙なことに、その身に宿っていた筈の霊力がすっかり消え去ってしまったのだ。
カンナガラに所属するには、自覚があるにしろ無いにしろ、霊力を宿していることが最低条件である。彼等がどれだけ過去の栄花にしがみつこうとも、カンナガラを去ることだけは避けられない事態だった。
しかし咬術であれば、霊力は関係無い。多少神の力を制御するのに苦労はするかもしれないが、誰にでも扱えると過去十年の記録から判明している。
「観世の人達はカンナガラに逆恨みしてるみたいだよ。正統後継者だった観世海遥の息子で、観世の目を持ってるおれがお願いすれば、簡単に扇動されてくれるんじゃないかな」
ちなみにこれもハッタリである。波由流は咬術を使うだなんて一言も言っていないし、使わせる気だって更々無い。あっちが勝手に推測して勘違いしただけだ。
尾羽打ち枯らした観世の老害共は、確かに多少なりともカンナガラを逆恨みしているようだが、それでも未だに返り咲くことを諦めていないらしい。波由流が目の前に現れた瞬間、父と同じように担ぎ上げられて復興のための道具にさせられるだろう。そんなのごめんだ。
「チッ……ならば面倒事を起こされる前に、貴様を葬ってやれば……」
「駄目です!それは考えうる限り最悪中の悪手ですよ!千鳥家の……千鳥さんの人脈が広すぎる。どれ程の恨みを買うことか……下手をすれば祟り殺される可能性すら覚悟しなくてはいけません」
「あ、そうだ。ねえねえ、焔さんはどうする?おれ、さっきから思いっきり悪いこと企んでるけど、こんなおれでもまだ友達でいてくれる?」
「まっ、まっまま待って、待って下さい!!焔様に居なくなられてしまったらいよいよ大変なことになっちゃいますよ!!ご助力を頂けるようになるまでどんだけ大変だったと思ってんですか!?」
「知らないよ。おれ、カンナガラにいっぱい虐められたんだもん。そろそろ焔さんが愛想尽かしちゃってもしょうがないんじゃない?」
焔は口を閉ざしている。この部屋に通されるまでの間、波由流はこういう展開に持っていく可能性があることをこっそりと伝えていた。あくまでただの脅しだから吃驚しないでね、と念を押して。
手始めに斎竹を見下ろした時のように、彼はただ其処に居るだけで圧がある。こうして静かに睨まれていることの恐ろしさったらない。斎竹はだらっだらに冷や汗を流すしかなかった。
そうしていよいよ、斎竹はかっくりと項垂れたのだった。お手上げである。
「いやー……いやあ。あはははは……あー……なるほど。つまりこうですね。貴方個人の信用だとか云々以前に、貴方の不利益になるようなことをすれば、逆に此方が盛大な痛手を受けると。何ですかもう、今までの話全部無駄じゃないですか……」
「そうでもないよ。お母さんの身の安全はおれにとって最優先事項だったし、交友関係を維持するための言質も欲しかったし。折角ひとめちゃんが聞いてくれてるんだから」
そして繰り返すが、そもそもこれはハッタリなのである。波由流が『千鳥波由流』でいるための対抗策に過ぎず、それ以外に利用するつもりは毛頭無い。
この話し合いが無事に終わったら、休校期間を利用して、神様へお礼を言いに東奔西走することになるだろう。話は出来ずとも、此方の声は相手に伝わるのだ。その後本当に両親と同じような関係を築けるか――――ハッタリじゃなくなるかどうかは、波由流次第だ。
すっかり机の上で溶けていたひとめの頭を、ありがとう、と指先でぷにぷに撫でる。ひとめは大きな瞳をキラキラ輝かせて、やりきったという顔でふんぞり返った。
「まあでも、やっぱり気になるって言うんなら、ひとめちゃんを二十四時間くっつけて、おれの言動を逐一記録すれば良いんじゃない?おれ一人にそこまで労力割くのも大変そうだけど」
「実際その通りではあるんですが……その、青藍様は、千鳥さんと縁結びなさらないのでしょうか?青藍様はご経験がお有りでしょうけど、カンナガラを裏切ったと判定された時点で縁結びは解除されるんですよ。縁結びは神降ろしの術をベースにしていますから、人間側が裏切っただけでも、互いを守り尊重する、という誓約を破ることになるんです。その方が解りやすいかと……」
「どさくさに紛れて青藍さんを引き込もうとする辺り、あんた結構抜け目ないよね」
本当に、低姿勢に見せて何かとちゃっかりしている。斎竹ほど強かな人間も居ないだろう。波由流は半ば呆れた視線を投げかけた。
「私と縁を結ぶに相応しいのは我が寵児のみ。そして私はこの会合が終わり次第、神降ろしの術を破棄して此処を去る。私が寵児の子に翼を貸すような砌はとうに過ぎ去った」
「だって。おれも二人の仲に割り込むなんて野暮なことはしたくないし、そもそも監視目的で縁結びさせるって、普通に神様に失礼でしょ。誰が好き好んで反乱者予備軍なんかと縁結びしたがるのさ……」
「ですよねえ。はあ……解りました。完敗です。最低条件として、しばらくは此方で監視を付けますが、後は好きにして頂いて結構です。その代わり、私や当主様は今後貴方を放置しますからね。他の誰かが貴方の力を搾取しようと目論んでいても、一切助けてやりません。目を光らせた狸爺や狐婆に齧り尽くされないと良いですねえ、私にはもう関係有りませんが」
「斎竹さんこそ、狸と狐が跋扈するわくわく動物園の飼育管理は、これからより一層骨が折れることになりそうじゃない?過労と心労のハッピーセットで倒れないと良いね。おれにはもう関係無いけど」
「あっはっは!!もー知りませーん!!精々足掻けクソガキめ〜!!」
斎竹は吹っ切れた。本当によく口の回るガキである。
+++++
話の終結が見えたからか、青桐はふいに席を立つと、そのまま無言で部屋を出ていってしまった。最後まで一言も喋らなかったな、と波由流は首を傾げた。
「青藍様と千鳥さんには、これとは別件でいくつか確認したいことがあるのですが……長丁場でお疲れでしょう。この場は一旦解散と致しましょうか。網代さんも、本日はご協力ありがとうございました」
「いえ、力不足で申し訳ございません」
「青藍様。お急ぎでしたら、お見送りがてらお話を伺っても宜しいですか?」
「……好きにするがいい」
「青藍さん、ありがとう。次は自力で話せるように頑張るね」
波由流の霊力は目に特化しているから、果たして言葉を交わせるほどの素質があるかは解らないけども。ふ、と微かに愉快そうな音を漏らして、青藍は飛び去っていった。
「あっ、ち、千鳥さんにはまた追って連絡を差し上げますので、それでは!」
斎竹が慌ただしく青藍の後を追う。それに続いて、一乃紀は此方に一瞥もくれず部屋を後にした。百日紅は既に青桐を追いかけて出ていったので、あっという間に部屋の中は静まり返ってしまった。ひとめがもちもちと机の上を転がっている音だけがこだましている。
「っわ」
突然、背後からぐわしと頭を潰された。すっかり気が抜けていたから思いっきり前につんのめって、慌てて頭上を見上げる。――――眩しい、と一瞬だけ錯覚した。波由流の視界をすっぽり覆う程の手のひらと、その指の隙間から、太陽によく似た色の瞳が此方を覗いていた。
「全力は尽くせたようだな」
「……うん。おれ、頑張ったよ、焔さん。ありがとう」
まだまだ問題は山積みだが、最低限の超えるべき関門は超えたのだ。
くたりと背もたれに身を預ける。ようやく、本当にようやく一区切り付いたからか、薄っすらと帰ってきた実感が湧いてきたような気がした。
――――いや、まだ早い。大事な約束が、まだひとつ残っている。
こうしちゃあいられない。波由流は飛ぶように立ち上がる。じんわりと疲労を訴えてくる脳味噌の重みも今は気にならないほどに、心は軽やかだった。
頬にひときわ鮮やかな赤みを刺して、波由流は晴れ晴れしく微笑んだ。
「――――藤さんと和椛に、ただいまって言いに行かなくちゃ!」
みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
▼青藍 + せいらん
八十神。波由流の父・海遥の相棒。
己の主軸とするものや優先順位をはっきりと決めるタイプであり、今の青藍の最優先事項は波由流の母・小百合であるため、カンナガラには所属しない。今回だけ特別対応。
▼斎竹 + さいたけ
カンナガラ。今回の胃痛役。
信仰に重きを置きつつ、理に沿った思考も出来るバランサー。
脳内で常時絶叫しているタイプの演技派。
▼百日紅 + さるすべり
八十神。他人の感情とシンクロするサトリ系の能力を持つ。
その特性故に悪意に対しては敏感だが、事細かに思考を読める訳ではないので、単純な嘘発見器としては些か正確性に欠ける。慢心は良くないね。
▼青桐 + あおぎり
カンナガラ。千鳥の本家、青桐家の当主。
神以外に一切興味が無いので、今回の話し合いも青藍の安否にしか興味が無い。
強いて言えば翡翠の小刀パねえ〜〜って思ってた。
▼お借りしたよその子
ひとめちゃん:@dake_nuka
焔さん:@uminome_kaime
名前や存在だけお借りした方々は多いので省略。
ありがとうございました。