15


それから数日経った頃。
洗濯場の裏手で、大きな桶の中で布をすすぎながら、私はある噂を耳にした。
雲が厚く、風の冷たさが骨にしみる朝だった。白い息を吐きながら水面に映る自分の指先が、寒さで赤くなっている。

「……後藤先輩。そういえば、聞きましたか?」

療養中の隊員の衣服の汚れを磨いていると、背後から聞こえた低い男の声。
思わず顔を上げると、井戸のそばに荷を抱えた“隠”の二人が立っていた。黒い布で顔の半分を覆い、肩や袖にまだ乾ききらぬ血の跡。
夜の任務明けなのだろう。疲労を隠すように肩を落とし、互いに小声で言葉を交わしていた。

「何を?」

後藤と呼ばれたもう一人が地面に荷を下ろし、声をさらに落とす。

「水柱様のことですよ。昨夜、北の村の山奥で鬼数体を一人で斬ったって」

“水柱様”という言葉に、胸の奥が小さく跳ねた。すすいでいた布を持つ手が、思わず止まる。
冨岡さんのことだ…。

「ああ、あれな」
「はい。中には下弦の鬼もいて、そこそこ被害が多くなると予想してたのに、到着してものの数分で場を収めてしまったって。血鬼術の跡もあったのに刃こぼれひとつしてなかったって」
「……へえ、それはすげえ」
「信じられないですよね。あの辺はこの季節、雪も深いってのに」

ふたりの会話が、風の合間を縫って流れてくる。干した布がぱたぱたと鳴り、光がちらつく。
私は桶の中で布をぎゅっと絞りながら、なぜか息を潜めてその会話を聞いてしまった。

「お前、水柱様を見たことは?」
「一度だけちらっと見たことあります。俺たちとは別世界の人だなあって」

そう呟いた隠の男の声には、純粋な尊敬が込められていた。
その言葉の裏で、胸の奥がじわりと苦くなる。
…獣じゃなかったのか。しっかり鬼と出くわしている。長引く任務じゃないって言ってたのに、全然“軽い”内容じゃなかった。
思わず唇を噛む。寒さでかじかんだ指先とは別のところが、きゅっと縮んだ。
そんな状況でも「すぐ戻る」と言って、わざわざ声をかけてくれて。私を安心させようとしてくれた、ということだろうか。

「尊敬します。僕も剣術の才があったら、あんな人になりたかったです」
「……お前、水柱様と話したことはないんだよな」

後輩らしき隠のひとりが目を輝かせる。そんな彼に、もう一人は少し呆れたように息を落とした。
風がひゅうっと吹き抜け、濡れた布の端が揺れる。
――本当に、柱って、そういう人なんだ。死に近い場所で、何度も立ってきた人。命の境目を静かに渡る、その覚悟を当たり前のように纏っている人。

「まあ、そうは言ってもな。背負ってるもんが俺らとは桁違いだぞ」
「それは……そうですね」

ぼそりと後輩の男が呟いた。
その言葉がやけに重たく感じられて、私は布を握る手に力が入る。

「だからこその"柱"なんだよ。頭一つも二つも抜きん出てるくらい強いんだ。俺たちとは違う」
「そうですね。胡蝶様だって、あんなにかわいいのにすっげえ恐ろしいし」
「あ、こらっお前…」

“柱”という言葉が、まるで遠くの世界の称号のようだ。尊敬と畏れが混ざったその響き。
誰の手も借りずに鬼を討つ――それがどれほどの意味を持つのか、私はまだわからない。
けれど、二人の言葉がその重さを語っていた。

「いいか、だから俺らはそんな柱を支えられるように少しでも彼らの負担を減らすんだ」
「はいっ……!」

ふたりが肩を落として笑う。
なんだか急に遠い世界の人みたいだ。少しは近づけたと思ってたけど、それは勘違いだったのかもしれない。
私がまだ“死”というものに触れただけで胸が揺れるのを、彼は何度も越えて、踏みしめて立っているんだ。
胸の奥で痛いような、熱いようなものが膨らんでいく。
…そうか。あんなふうに、静かに「行く」とだけ言って歩いて行った背中にも、きっと何か重いものが乗っていたのだ。全然気づけなかった。

“強い”という言葉は確かに尊敬に満ちた言葉だ。
けれど、その光の影には、いつも孤独が潜んでいるのではないか。

ふと、しのぶさんの笑顔が脳裏に浮かぶ。
柔らかな物腰の奥に、誰にも見せない痛みを抱えているようで。
患者を励ます時も、叱る時も、決して声を荒らげることはないのに――その静けさの中に、どこか切なさが滲んでいるのを私は知っていた。 

そして冨岡さんも。
あの人はきっと、言葉よりもずっと多くを心の中で受け止めている。
誰よりも静かに、誰よりも深く。
冷たく見える沈黙の奥には、何かを守ろうとする強い意志と、それを押し殺すような哀しさがある気がする。

強さの影には、いつも孤独が潜んでいるんだ。
誰よりも前に立って、誰も傷つけさせないようにして。その分、たくさんの人を見送ってもきたのだろう。そうして、自分が一番深く傷ついていく。
そうやって立ち続けるあの人たちの苦労は、きっと誰にも理解できない。

「たまに思うんすよね。あんな人たちと並んで歩ける人間って柱以外にいるのかなって」
「たしかに、それはめったにないだろうな」

もう片方の男が苦笑混じりに続ける。

「はは、そうですよね。強いし、頭もキレるし……特に水柱様は何考えてるか分からな」
「ちょ、お前…!言葉に気をつけろよな。ここ蝶屋敷だぞ。誰に話を聞かれてるか分からな………あ、」

ちょうどその時だった。隠のひとりがふとこちらを振り返った。
ぱちりと目が合い、一瞬気まずい空気が流れる。

「……あ、」

後輩の隠もつられてこちらを見る。
私の手はまだ桶の中で布を握ったまま。どう見ても、会話の最初からずっとここにいた格好だった。

「えっ、と……」

変な声が漏れる。
ふたりの視線が一瞬固まり、空気がぴしっと張った気がした。
盗み聞きしてたとか思われてるかも。でも私、最初からここにいて洗濯してただけで…いや、そのタイミングが…。
そんな言い訳を頭の中で慌てて並べ、とりあえず手を止めて軽く頭を下げる。

「お、おはようございます……」
「お、おう。おはよう」
「…おおはよう、ございます」

どこかぎこちない声で挨拶は返してくれるけど、ふたりの視線はこちらに固まったまま。またしばらく沈黙が落ちる。
どうしよう、さらに空気が悪くなってしまった。聞いてませんよ、と言ってあげた方が良かったかな。いや、でもそれは嘘だと分かりきってるし…。
その時、先輩の隠のほうが気まずそうに口を開く。たしか…後藤さんと呼ばれていたっけ。

「あー……悪いな。聞かせるつもりはなかったんだが」
「えっ、い、いえっ。大丈夫です。最初から……ここに……」

慌てて手を振る。
言い訳めいた言葉が途中でしぼんだ。

「あ、ああ……そうだよな」
「うん、洗濯……してたもんな」

隠二人が、妙にぎこちない相槌をする。
それが余計に気まずい。私は謝罪を込めて、ぺこりともう一度頭を下げた。
その場に固まっていると、井戸の方からひそひそとした声が続く。

「…見ない顔ですね。あの子、新入りですか?」
「たしか少し前に入った子だよ。三ヶ月くらい前だったか」
「へえ、そうなんすか。えらい別嬪さんですね。俺好みで……」
「馬鹿、おまえっ!声がでけえ」
「はっ、」

何を話しているのかまではよく聞き取れなかったけれど、風に混じって届く笑い声だけが耳に残った。
良かった。怒ってはいないみたいだ。
私は桶の中の布をすすぎ、しっかりと絞る。そして手の中の水気を切り、膝を伸ばして立ち上がった。

「あの……何かお探しですか?もし、しのぶさんをお探しでしたら、今は外出中で…。アオイさんならいますが」

声をかけると、ふたりの隠が同時にこちらを振り返った。後輩のほうが、ぱっと表情を明るくする。

「あっ、あります。あの、よかったら君のなま――」

何か勢いよく言いかけた瞬間、となりの後藤さんが、素早く手を伸ばして後輩の口をがっしりと塞いだ。

「んんっ!?」
「お前は、もう黙ってろ」

後藤さんが低く押し殺した声で言う。
後輩は『え、なんで!?』と言いたげにじたばたするが、手でしっかり押さえられているせいで情けない音しか出てこない。
私は思わず瞬きをした。理由は分からないけれど、なぜか必死に封じられている後輩を見て、どう返していいか一瞬だけ迷ってしまう。

「んーんーっ!」
「…そうか。気が利くな。ありがとう助かる」
「あ、いえ……」

そう言って、後藤さんが何事もなかったかのように軽く頭を下げるから、私も会釈を返した。
大丈夫かな。後輩さん、息ができてるだろうか。くぐもった声がずっと手の中で暴れているけど…。
このままアオイさんの所へ行くのかな。私もすぐにここから退散しよう。
そう思って洗い終わった隊服の皺を伸ばしていると、後藤さんが何かを言いたげにわずかに唇を動かした。

「なあ、君……もしかし――」

しかし、声がそこで途切れる。
喉の奥に何かが引っかかったような、言い淀む気配。次の瞬間、頬から血の気がさあっと引いて、目が大きく見開かれた。
どうしたんだろうと首を傾げるより早く、ぽん、と私の両肩に軽い手のひらが乗る。
驚いて振り向くと、そこにはいつもの穏やかな笑みを浮かべたしのぶさんの姿があった。

「あ、しのぶさん……」
「こんにちは」

淡い蝶の柄の羽織が、冬の空気の中でふわりと揺れる。まるで春が一瞬だけ早く訪れたみたいな、柔らかい声。
なのになぜか、隠の二人はまるで背後に鬼でも立ったかのような勢いでびくりと肩を跳ねさせた。

「こ、胡蝶様……!」
「こんにちは。なんのお話をされていたんですか?私も混ぜてください」

にこ、と微笑む彼女の声は穏やかそのものなのに、隠の二人はわかりやすく慌てふためき、互いに目配せをする。

「い、いや、なんでもないっす……!」
「その、俺らまだやることがあるので……で、では……!!ほら、行くぞ!」

ほとんど逃げるような足取りで去っていった。
私は桶のそばに立ったまま、ぽかんとその背中を見送る。さっきまで普通に会話していたのに、いったい何が起きたのか理解が追いつかなかった。
洗濯場を吹き抜ける風が少し強まって、干していた布がぱたぱたと音を立てる。
彼らの反応といい、しのぶさんの登場といい、どこか取り残されたような気分になる。

「しのぶさん……お戻りでしたか」

問いかけるとしのぶさんはにっこりと笑い、私の肩から手を離した。
羽織の袖が風に乗って軽く揺れる。藤の花のほのかな匂い――近くの薬屋から戻ってきたのだろうか。

「どうしてこちらに?」
「虫除けですよ」
「……え?」

あまりにさらりとした口調に、思わず聞き返してしまう。
彼女は少しも表情を崩さず、空を仰ぐように視線を上げた。その中にどこか含みがある気がして、胸の奥が妙にそわそわする。

「簡単に言い寄られては困りますから」
「……言い寄る?」

何の虫?言い寄られたら困るって?
まだ冬だから虫が湧く季節でもないような……。
頭の中にいくつもの疑問符が浮かぶ。けれど、しのぶさんはそんな私の困惑などお構いなしに、淡々と話を続けた。

「お洗濯お疲れさま。指先真っ赤ですね。風邪を引かないように、早めに屋敷へ入りましょうね」
「は、はい……」

やさしい声が耳に心地よく響く。

「それにしてもリサさん。最近少しずつみんなと仲良くなってきましたね。……悪い虫も、そろそろつき始める頃かしら」
「えっ?」

さらりとした声色で、まるで天気の話でもしているように。彼女は洗濯物に落ちた落ち葉の欠片を指先で払って、ふわりと笑った。
その笑みはいつもと同じ、優しくて穏やかなのに、なぜだろう。背筋がひやりとするのは。

「悪い虫……って、えっと……」
「ふふ。特に意味はありませんよ。ただ――」

彼女は一歩だけ私に近づいて、声を少し落とす。
その距離の近さに、思わず息を呑んだ。淡い香のようなものがふわりと鼻先をかすめる。

「心配なんです。…あの朴念仁でさえ、つい気を取られていたみたいですし」
「ぼ、ぼく……?」
「はい。だから、虫除けです」

そう言って、まるで当たり前のように微笑む。
けれどその瞳の奥には、どこか静かで、鋭い光が潜んでいる気がした。
何かを聞き逃した気がしてならない。聞き返したいのに、声が喉の奥で引っかかる。その間に、しのぶさんはくるりと踵を返していた。

「さ、戻りましょう。風邪を引くとアオイに叱られてしまいますよ」
「えっと。はい……」

結局、最後までしのぶさんの言葉の意味はよくわからないまま。
彼女の軽やかな足音を私は追いかけた。









その日の夕方。陽が落ちる頃。私はアオイさんと一緒に居間に腰を下ろしていた。
開いた障子から見える庭の池は、傾きかけた橙の光を受けて水面をゆらめかせている。空気は昼間よりもさらに冷え込みを増し、屋敷の中にいても手がかじかむ程。
さっき、朝に私が干した隊服や敷布を取り込み、アオイさんと手分けして畳んでいるのだが。
その途中で私は隊服のほつれを見つけ、膝に針山を置くと、端のほつれを少しずつ繕っていた。黙々と手を動かすうちに、ほつれた布が静かに形を取り戻していく。

「……ここ最近、本当に冷え込みが厳しいですね。井戸の水も朝は氷が張っていました」

ぽつりと声に出すと、アオイさんは畳んだ布を抱えながら縁側の外の空を眺めた。

「そうですね…。昼間は少し陽が差していても、すぐに空気が冷たくなってしまいますね」

私も縫い針の手を止め、外に視線をやる。
庭先を渡る風が枯葉をさらい、どこかへ連れていくところだった。

「……こうして寒い日も、鬼殺隊の皆さんは外で任務をされているんですよね」

ぽつり、とその言葉がなぜか漏れていた。
アオイさんはすぐにこちらを見て、少し驚いたように目を瞬かせる。

「はい。隊士たちはどんな寒さでもどんな天気でも、鬼が出ればすぐに向かわなければならないので」
「そうなんですね……」

なぜか胸の奥が少しざわついた。
縁側から流れてくる冷気が、さっきよりも強く頬を刺すように思える。

「あの、アオイさん。鬼殺隊の任務って、普段はどんなふうに行われているんですか?」
「リサさんからそんなことを聞いてくるなんて、珍しいですね」
「あ……すみません、急に。でも、みなさんがどんな風に働いているのか、ふと気になって」

自分でも戸惑って、針先で縫い目をなぞる。
なぜ急に気になったのか、はっきりした理由は自分でもわからなかった。
ただ、このところ耳にする「任務」という言葉が、妙に胸の奥に残っていたのだ。
尾崎さんも忙しいのか、手紙のやり取りはあるものの、ここ最近顔をまったく見せてくれない。こんなに寒いのに、体を壊していないか心配だ。
アオイさんは少し迷って、膝の上で畳んだ白衣を軽く整え直す。

「…基本的には、鎹鴉から伝令が来ます。鬼の目撃情報や被害の知らせを受けて、任務に向かうんです。数人で向かうこともあれば、一人で行くこともあります」
「一人で行くこともあるんですか?」
「はい。鬼が出る場所はまばらで、対応できる隊士が限られていることも多いですから。だから、どうしても単独で向かうことが多いんです」

アオイさんの声音が淡々としているのに、その裏に張り詰めたものがある。

「……あの、こんなこと聞くのは不謹慎だって分かっているんですけど……その、もし……、戻って来られなかったら?」
「そのときは、鎹鴉が報せてくれます」

あまりにも淡々とした口調。
まるで何かが通り過ぎたように、空気が一瞬だけ冷たくなった。

「……じゃあ、柱の方々も、同じように任務を?」

気づけば、急くように問いかけていた。
なぜ、そこを聞きたかったのだろう。自分でもうまく説明がつかない。ただ、知っておきたいという思いが勝手に言葉を押し出していた。
今朝、井戸の側で聞いた隠の人たちの言葉が深く残っていたのかもしれない。
アオイさんは私をじっと見てから、小さく息を吐く。

「…柱の方々は少し違います。彼らにはそれぞれ担当地区が割り当てられていて、警備する範囲は普通の隊士よりもずっと広いです。当然、鬼と遭遇する可能性も高くて、十二鬼月の情報が出たときには必ず駆り出されます」
「……十二鬼月?」

思わず、針を持つ手を止めて問い返していた。

「はい。鬼の中でも特別に強い、上位の存在です。普通の隊士が出会えば、命を落とす確率のほうが高い。だからこそ柱が出向くんです。…その分、危険も桁違いですけどね。他にも、任務の合間に鬼の情報を集めたりしているみたいですが」
「……そう、なんですね」

針を持つ指先がかすかに震えた。思わず糸を引きすぎて、布に細い皺が寄る。
慌てて直そうとしたけれど、視線が針先を外れてぼんやりと庭の先に流れてしまった。

「柱って……やっぱりすごい方々なんですね」
「はい。だからこそ柱は、みんなに尊敬され、畏れられているんです」

アオイさんのはきはきとした声が、澄んだ冬の空気の中に吸い込まれていく。ほんの少し風が吹いて、庭先の木がさらりと揺れた。
なぜだろう。その言葉を聞いた瞬間、胸の奥に太い“線”が引かれたような感覚がした。
胡蝶さんも、冨岡さんも私とは違う場所にいるんだな。一緒に過ごしたあの静かな時間も、飴をもらったときも、同じ地平に立っているような錯覚だったのかもしれない。
“柱”と呼ばれるその存在は、尊敬と畏れを同時に集める人。踏み込んではいけない領域が、はっきりとそこにある。

「鬼殺隊の皆さんがそんなに大変だなんて、知りませんでした」
「そう、ですね。…でも、リサさんがそんなことを気にかけるなんて、やっぱり珍しいですね」

わざと明るく言って見せた私に、アオイさんは横顔を覗き込みながら少し微笑んでくれる。

「……そう、ですか?」
「はい。普段は日常のことに一生懸命なのに…なにか気になることでも?」

問いかけられて、言葉が喉に詰まった。
なぜ、と自分でも思う。けれど答えは見つからない。
ただ胸の奥が、風に揺れる木のようにざわざわと揺れて、落ち着かなかった。

「……気に、なってるんですかね。私」

小さくつぶやくと、自分の声なのにどこかよそよそしく聞こえる。
アオイさんはふと目を細めて、畳んでいた白衣をそっと膝の上に置く。針先に残った糸を見つめながら、私もそっと息をついた。
胸の奥に芽生えたざわめきに、私は少しずつ目を向け始めていた。



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