タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
これのサンジ視点
2021/07/29


 寂しくってもうさぎは死なない。でもおれは寂しかったら死んでしまう。お母さんがいて、レイジュがいて、ジジイがいて、ルフィがいて、おれは幸いにも土壇場のところでいつも掬い上げられていたから死ぬことはなかったけど、君とほんの少し距離が離れてしまっただけで胸が疼いてしまうくらいに君を愛しいと思ってること、どうしたら気付いてもらえるんだろう。じっとおれを見つめる理由が、おれと同じ気持ちなら良かったのに。君の答えはおれの金色の頭が月のようだから、だった。同じ気持ちじゃなくて悲しかったけど、でもどんな理由からだって君に見つめられるのはくすぐったくって、うれしくって、きゅ、と心臓が痛くなる。
 だけど今この船に金色はおれだけで、じゃあもしこれから先、金色がこの船に増えてしまったら、あの優しいまなざしがおれだけのものじゃなくなるんだろうか。

「綺麗だね」

 そう言ってくれるレディがおれの心の内が見たらもうそんなことは言ってくれなくなる。月は何も話さない。綺麗な光で地上を照らすだけ。何も言わなければ褒めてもらえる。だけどおれは月じゃない。うさぎでもない。ただの金の色をした髪を持つさみしがりな男で、優しくおれを包んでくれるレディに近付く黒い足を持っているし、腕の中に閉じ込めることができる手だってあるし、言葉を紡ぐ口もついてる。
 好きだよ、と言えば物言わぬ月じゃないとわかってくれるだろうか。
 だけど君に綺麗なものだと思われているのに自分からそれを捨てることはできなくて、結局、ただいつもと同じように、だけど心からの賛美をおくることしかできないおれは臆病な男だ。