「やる」
「ありがとう。何?」
何の疑問も持たずに礼を言い受け取る姿に眉を上げる。何も思われないと思った。思ったからこそあげた。だけど本当に何も思われなかったらそれはそれで腹が立った。ガキのような支離滅裂な思考回路にモヤつく。
「もらった」
「誰に?」
「知らね」
ふうん、と呟きながら透明の中にほのかに緑が光るガラス玉を太陽にかざす姿は嬉しそうでも、面倒そうでもない、いつも通りの姿で。
「ナミにやった方がよかったか」
腹が立って、呟いた。
途端に笑われて、ぎゅ、と胸がつまされる。馬鹿みたいなことをするからだ、と腰に下げる白い刀が揺れた気がして視線を外す。
「ナミちゃんは宝石しか喜ばないよ。ロビンちゃんのほうがこういうの好きかも」
素気無く返された言葉になんとも思われてないことがわかって胸がざわつく。てめェにやってるんだからてめェがどう思うか言えよ。
「……かわいいね」
「あ? わからん」
ただおれが持ってるよりかはお前が持ってる方がしっくりくるだろうと、ただそれだけで。
「ゾロの色だね」
は、と視線を戻す。太陽に翳していたそれを、おれの方へと伸ばして見比べる姿に眉根を寄せる。
「……知らねェ」
「ゾロの色だよ。かわいいね」
緩んだ頬を見せる姿と違っておれの顔はどんどん強張っていく。お前の目、腐ってんじゃねェの。
2021/05/18