もちじゅん
中間
【もうどこにも行くな、ずっと俺のそばにいろ】
「望月」
「……」
「無言でカメラ睨むんやめて！」
「中間」
「俺！？」
「やーい、淳太が罰ゲーム！」
「俺多ない！？昼もやったやん！」
「需要があるんやって」
「誰に？」
「淳太さ、あれやん、ドラマとか全然出てないからみんな見たいんちゃう？」
「確かにドラマ出てないけど」
「なら私はなしでもええやん。演技仕事いっぱいやってるのに」
「真夏よう見るで？ドラマも映画も出ずっぱりやもんな」
「なのになんで？パリピポくん説明して？なあ？」
「今の真夏とやるの嫌やわ。めっちゃ機嫌悪いやん」
「あはははは！あれ引きずってるん？」
「ステージドリンクに熱々コーヒー仕込まれてん」
「えー、そんなんするん誰やろー？」
「お前や」
「小瀧後で覚えとけ」
「真夏が飲もうとしたら熱々で、裏で涙目やった」
「ベロ火傷したやろ？」
「分からへん。でもジンジンする」
「ほんま？見せて？」
「ほれ」
「あかんあかん！」
「なんで？」
「ベロ出すって、なんかえろいやん」
「そんなん思ってんの照史だけや！」
「そんなことないやろ！」
「別にえろくないやろ！」
「えろいって！…って真夏引くんやめて！」
「引いてない引いてない。でもここでそんなこと言われると思うてなかったからびくりしただけ」
「別にいつもえろい目で見てるわけちゃうから」
「ちょ、やめて！ここでそういう話になるの嫌！」
「罰ゲーム俺が受けんねんから俺より目立つなって！」
「あ、淳太はけてええよ」
「おつかれさまでした！」
「なんでやねん！真夏ステージ上がれ！やるで！」
「めっちゃ気合入ってるやん」
「淳太くん、もうすぐ台湾に帰っちゃうね」
「そうやね。楽しかったなー、日本」
「次はいつ会える？」
「うーん、夏休みちゃう？」
「絶対やで？」
「絶対。約束する」
「……」
「……」
「次の展開考えてる」
「なんかせな普通の会話で終わるで」
「真夏」
「なに？」
「俺さ、こうやって別れる時、いつも思うねん」
「なにを？」
「真夏とずっと一緒におれたらええのになって」
「…一緒にいたいんやったら、はっきりそう言ってよ」
「……」
「思うてるだけじゃ伝わらへんわ」
「演技上手ない？」
「淳太頑張れ！負けんな！なんか言え！」
「もう行くね」
「っ真夏！」
「「「きゃー！」」」
「もうどこにも行くな、ずっと俺のそばにおってや」
「「「きゃー！！」」」
「うん。……ひゃあ、」
「は？今のなに？」
「なんかえろい声出たで？」
「ベロよりよっぽどえろい」
「淳太なんかしたやろ！」
「ちゃうちゃう！なんもしてへん！」
「腰、触るんやめて」
「現行犯逮捕や！」
「ウーウー！」
「うわ！パトカー来たで！」
「お触りは厳禁です。中間淳太、逮捕」
「なんで！？偶然やって！後ろから抱きしめたからちょっと当たっただけやって！」
「大丈夫？」
「大丈夫、ちょっとびっくりしただけ。あんな声が晒されるなんてなんたる醜態」
「腰触られるの苦手ってメンバーやったら知ってるやろ」
「そんなん普通知らんわ！」
「真夏、ほんまに大丈夫？」
「大丈夫。淳太くんもごめんな？」
「メンバーみんな怖いけど、照史の目が殺し屋の目やった」
「いくら淳太くんでも一発殴りそうやった」
「なんでやねん！」