君とラブラブランデブー

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    記念アンケート・1位(正沙)




    「沙樹、デートしよう。デート!」

    と、誘ってみたものの…。

    沙樹とデートするのは何年ぶりだろうか?

    前はしょっちゅう二人で出かけてたからなぁ。

    「何処行くの? 正臣」

    「んー、ヒミツ!」

    ヒミツとは言ってるが、実はまだ決まってなかったり。

    俺がよく知ってるのは、池袋くらいだし…


    あっ!
    でも、でもどうせあいつ等学校だから、見つかることはないか!

    「池袋でも行こうか!」

    「平気なの? 友達と会っちゃったりしない?」

    「へーきへーき。あいつ等学校だし」


    沙樹を連れ出して、池袋についた。

    久しぶりの池袋は変わってないようで、変わった。


    けど、池袋全体的にはほぼ変わってない。

    変わったのは俺の周りだけ。

    仲の良い友達は居ない、でも、沙樹がまた隣に居る。


    いつか、あの二人に
    沙樹を紹介したいな。

    「正臣、少し疲れちゃった。どこかで休もうよ」

    久しぶりすぎて、はしゃぎ過ぎたのか、疲れた。

    「そういや、近くに公園あったよな?」

    「あっちにあったと思う」

    沙樹の記憶を頼りに、公園に向かった。


    「着いたー」

    「懐かしいね。私たちが始めてあった所…」

    「そうだな」

    沙樹と始めてあった、あの公園。

    最初は、折原臨也の差し金って所だったけどな。

    今じゃ、ベストカップル!


    ベンチに座って、些細な昔話に花を咲かせる。

    「正臣はさ、学校辞めてよかったの?」

    「今更何言ってんだよ、いいんだよ、沙樹の隣に居れれば」

    「でも、何か寂しそうだから」

    沙樹は、俺の事を何でも見透かしてしまう。


    「帝人達には会いたい。でも、今は駄目なんだ。また、戻ってこれたら、沙樹を紹介して自慢してやる! それで、四人で過ごせるようになりたい」

    「うん」

    「今は駄目でも、必ず俺はここに戻ってくる。沙樹と一緒に」

    沙樹の手を握りながら、俺は言い切った。

    隣に居る沙樹は優しく微笑んでくれた。

    「沙樹、好きだ」


    他の女の子には普通に言っていた言葉。

    本当に好きな子に言うのは、正直俺でも恥ずかしい。

    「うん、私も正臣が好き」

    肩を合わせながら、沈む夕日を眺めた。


    「さっ、学校が終わる前に帰るか!」

    俺は立ち上がった。

    「そうだね」

    そういって、沙樹も立ち上がった。

    手をつなぎながら、帰る道。
    池袋デートは終わった。




    君とラブラブランデブー

    (また、戻って来た時には四人で…)

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