物よりも君のキモチが大事
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  • 明日はツナの誕生日だ!
    何をプレゼントしようかなぁ?


    迷ったあげく、ケーキを作ることにした。

    料理の本を片手に、作ってみたら…。

    『上手く出来ない……!』

    スポンジは真っ黒焦げ、生クリームはドロドロ、デコレーションは何を書いてあるか分からない状態。

    ケーキは無理だと思った夢子は、クッキーに変える事にした。

    クッキーなら家庭科の調理実習で作ったから、作れるはずっ!!


    3時間後……。

    『出来たぁ!!』

    形は少し崩れてるが、ツナの顔そっくりに作ったのと、星形のクッキーが無事に出来上がった。

    『明日、コレを渡せれば……!』


    夢子は明日に備えて、何時もより早く寝た。 


    10/14 7:50

    Pipipipipipi

    『ん……』

    目覚ましの音で起きた夢子は、目覚ましを止めよう時計を見ると…。

    『ん……? ん!? もうこんな時間!!?』

    急いで準備して、昨日作っておいた ツナへのプレゼントを鷲掴み、必要な物と鞄に詰め込みダッシュで学校に向かった。


    『ギ、ギリギリセーフ!』
    「おはよう、夢子ちゃん!」

    『おはよう! 京子ちゃん、花』

    「あんた、何時もギリギリだよね」

    『そんなコト無いもん!』

    昨日は早く寝たのに……。
    ツナに何時渡そうかなぁ?

    教室を見回しツナを捜すと、何時もの二人と喋ってた。

    何話してるのかなぁ〜?
    って、思ってると京子ちゃんが話しかけてきた。

    「ねぇ夢子ちゃん、今日ツナ君家で、ツナ君の誕生日会するんだって! 一緒に行かない?」

    『うんっ! 行く!!』

    「じゃぁ、学校終わったら一緒に行かない?」

    『いいよ!』

    誕生日会の時にプレゼント渡せばいっか!




    『「おじゃましまーす!」』

    学校が終わって、京子ちゃんとツナの家に来た。

    「いらっしゃい、ツナ達もう居るから上がって!」

    『「はーい!」』

    奈々さんに挨拶して二階に上がった。

    緊張するな。


    パーティーが始まって、何時も通りのハチャメチャな展開になっちゃった。

    獄寺君がランボにキレてダイナマイト出しちゃうし。

    挙げ句の果てには、リボーンが寝ちゃうし…。

    色々あったけど、やっとプレゼントタイムが来た。

    『(う〜、ドキドキする。今の内に出しておこうかな……)』

    鞄から綺麗にラッピングしたクッキーを出そうとしたら……。

    『ど、どうしょう……』

    「次は、夢子かな?」

    ツナがそう言いながらこっちを向いた。
    (最初にくじ引きで渡す順番を決めてた)

    『え!? あっあの、私家に置いて来ちゃっみたいで……』

    「しょっ、しょうがないよ、誰だって忘れ物位するよ!」

    『ゴメン……私、取ってくる!!』

    「えっ!? 夢子!」

    私はそう言ってツナの家から飛び出した 



    家に取ってくると言って飛び出したが、夢子は近くの公園に居た。

    『はぁ……』

    遅刻しそうで荷物を鞄に思い切り詰めたせいで、当然クッキーは粉々。

    ツナの顔形クッキーは何だか分からない程になってしまった。

    『うっ、うぅ……』

    粉々のクッキーを見ながら泣く夢子。


    そこに。


    「ハァハァ、やっと見つけた……」

    『ツ、ナ……』

    夢子が飛び出して行った後を、ツナが追いかけて来ていたのだ。


    「家に行っても居ないからさ、ココかなぁって思って…!」

    ツナは、合ってて良かったよ、と言いながら息を整えてる。

    『ゴメン、ツナ。誕生日なのに……、プレゼントないの』

    「何言ってんの? あるじゃん、ソレ」

    『コレは違っ?!』

    ツナがソレと言ったのは、夢子が粉々にてしまった、クッキーのだった。


    ツナは夢子からクッキーの袋を取り上げ、欠片を食べた。


    「うん、美味しいよ!」

    『ありがとう』

    「来年も作ってよ」

    『うん! ツナ、誕生日おめでとう!!』

    「ありがとう、夢子」


    物よりも君のキモチが大事

    (君がくれる物なら、俺は何でも嬉しいよ)

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